米不倫サイトの情報流出で懸念されるITの弊害


米大手不倫サイトがハッカーの被害に遭った。
そしてその情報流出で自殺者が相次いでいるという。ITの弊害とも言える情報流出に今度いかに向かい合うか。

不倫サイトの情報が漏洩で自殺者相次ぐ

既婚者向け出会い系サイト「アシュリー・マディソン」の利用者3200万人の個人情報がインターネット上に公開された問題で、利用者だったとみられる自殺者が相次いでいることが分かった。

出典 http://www.cnn.co.jp/

不倫サイトがハッキングされ、ハッカーがサイト運営者に対して情報の漏洩を行わない代わりに金銭を要求した事件はニュースにもなったが、運営者は金銭の支払いを拒み、結果として情報は漏洩、自殺者が相次いでいる状況だという。

不倫サイトがハッカーに懸賞金をかける

トロントに拠点を置く同サイトの親会社、アビッド・ライフ・メディアは、情報を盗み出したハッカーの特定につながる情報の提供者に50万カナダドル(約4500万円)を支払うと表明している。

出典 http://www.cnn.co.jp/

不倫サイトの親会社は、ハッカーの特定に対して4500万円の懸賞金を払うようだ。対応のスピードとしてはいかがという部分はあるが、情報漏洩が相次ぐなど手を焼いておりさらなる対策が急がれる。

ハッカーの検出であれば実際にハッキングされたサイト側がもっとも手がかりとなる情報を保有しているような気がするが、どこかから情報が舞い込み、それを手掛かりとしてハッカーの発見がなされることを期待してだろうかいち早い情報の規制がされなければ不倫サイトそのものはすぐにでも破綻してしまうのだろうか。

不倫ビジネスは頭打ちとなるか

不倫ビジネスがこれから伸びてくると断言できる理由

本誌でこの不倫サイトについては一度紹介したことがある。その際は、不倫ビジネスは大いに伸びるだろうという見解を示していた。もちろん、情報漏洩などのリスクについては把握していたわけではあるが、アメリカなどでは情報漏洩などITの分野についても法律が整備されており、かなりの処罰がかかってくるため、そこまで早急にそうしたことが起こるだろうとは考えていなかった。

とはいえ、今回の事件については不倫サイトにとっては大きな痛手であり、この事件が常にユーザーの頭から離れることはないだろう。そうした意味では市場自体もこうしたリスクを考えるとそこまで大きくはならない可能性がある。

情報漏洩はIT化の弊害?

ともなればよく言われるのは、ITだからこそこうやって攻撃がなされて情報の漏洩が起こるということである。すなわちIT社会ではより情報漏洩が起きやすいということを言う人間は少なくないだろう。
年金機構の情報漏洩もハッカーによるものだったし(それについてはハッカーと呼べるか分からないほど低レベルなものに職員が引っかかったが)、そのセキュリティが不安視される声も分からなくはない。

とはいえ、実はweb上の情報の方が流出しやすいということでもない。紙の上の情報ならば単純な話でそこに忍び込んで金庫を開けて情報を盗み出せばいいだけだ。要は金庫とデータベースのセキュリティならばどちらが強固なのかという話である。一概にどちらがということを論じるのは非常に難しい。ただ、Googleのデータベースが破られたという話は聞いたことがないし、クラウドサービスについても同様だ。どれだけセキュリティに力を入れられるかの問題であろう。