1%の人間が世の中の半分の富を占めている事実


世界の富における格差に関する驚愕のデータが出ている。
なんと世界の富の半分をわずか1%の人間が占めているというのだ。はたして世界の格差はどれだけ続くのか。

上位1%の人間が世界の半分の富を占めている

衝撃的な事実が明らかになった。スイス発の世界最大のユニバーサルバンクとして知られている「クレディ・スイス」の最新調査で、世界人口のうちわずか1%にあたる富裕層が全世界の富の50%を所有していることが発覚した。この事実を記したのはクレディ・スイスのレポート『Global Wealth Report 2015』である。

レポートによると、2007〜8年にかけての世界的な景気の後退があって以降、土地や有価証券などを含めた富の集中化がますます進んでおり、世界中に存在する富の50%は1%が握っているという。

次々と進む格差社会

現在、日本という国において格差社会が進んでいることが問題視されている。アベノミクスなる政策によって株式市場に黒田バズーカと呼ばれる資金投入を行った結果、日本中で株高が進み、投資家など資産家層は多くの恩恵を受け、一時は日経平均株価は2万円を越えるところまでいった。こうした好景気を受け、数々の企業は増収増益の恩恵を受け、15年卒16年卒の就職率は右肩上がりであった。
ところが、その数字は決して賃金に反映されていない。アベノミクスという政策は富が富裕層から滴り落ちるトリクルダウンを前提としたものであったが、残念ながら儲けを出した企業はまた来るであろう不況に備えて内部留保を確保するような動きに走った。

同じことはアメリカ合衆国にも言える。日本のみならずアメリカでも賃金格差は問題視されている。シリコンバレーをはじめとして多くの企業が成功を収める中、アメリカ全土では世帯所得の中央値は2%も落ちている。世界中で格差は進んでいることだろう。

格差は今後も進む

今後も当然ながら格差社会は進むだろう。AIなどのテクノロジーの普及によって単純労働者は職を失う。問題なのは高級ルーティーンワーカーと呼ばれるいわゆるエリート層もそういった形で職を失う可能性があるということだ。労働を切り売りすることで富を得る労働者と資本を用いて富を得る資本家の2つが資本主義経済には存在するが、当然ながら資本家も労働者を雇用することは富を得るために必要不可欠である。
ところが、AIがそれに対抗するようになると資本家は労働者を雇用するインセンティブが薄れてくる。資本家は労働者を用いることなく富を得ることができる時代になるだろう。

そうしたことを経て、労働者の価値というものが相対的に小さくなることだろう。市場において需要と供給とのバランスによって決まる価格はテクノロジーによる供給過多が起こると暴落する。AIのコストが小さくなる頃には多くの労働者の雇用はなくなることだろう。当然ながらより資本家は稼ぎやすくなる。今後この数字はもっと大きな格差を示すことになるだろう。