ビットバレーはシリコンバレーに並べるのか


ビットバレーという言葉はまだあまりなじみがないだろう。
しかし、このビットバレーにはシリコンバレーへと並ぶ期待が込められている。

ビットバレーに集うIT企業

LINE、DeNA、mixi、GMO、CyberAgent…これらの共通点が分かるだろうか。
そう、その共通点とはどの企業も渋谷に本社を構えるIT企業であるということである。アメリカへいけばカリフォルニア州のシリコンバレーがIT企業のメッカであるが、日本で言えばそれが渋谷だ。

渋谷をそれぞれの感じを英語に直してみるとbitter valleyである。このbitterを情報の単位のbitに直したビットバレーが渋谷をIT企業の集積地として捉える時の呼び名である。先ほど挙げたメガベンチャーだけでなく、ANRIやSkyland VenturesなどのVCが拠点を持ち、その投資先の企業が渋谷にオフィスを構えることから、かつて多くのIT企業の城であった渋谷に今またIT企業が戻ってきているという現象が起きている。

なぜ渋谷からIT企業は離れたのか

渋谷がIT企業で賑わっていたのは2000年前のインターネットバブルの頃である。堀江貴文氏のライブドア、三木谷浩二氏の楽天、孫正義氏のソフトバンクが若手起業家の代表格として時代を席巻する中、ライブドアの前身であるオンザエッジにサイバーエージェント、ネットエイジ(現ユナイテッド)といったIT企業の数々が渋谷に集っていた。

しかしながら、そこから5年もすれば渋谷からIT企業は姿を消す。なぜインターネットバブルを作った渋谷からIT企業が消えたのか。それは渋谷のキャパが企業のそうした成長に耐えられなかったからである。今のようにヒカリエもできていなかった渋谷にはそのスペースが純粋に足りていなかった。そのことから成長を続けるメガベンチャーは六本木ヒルズなどの新しくできたビルへと移転していった。

これからビットバレーが完成するわけ

渋谷がこれから注目される理由はなんといっても今後ヒカリエに続いて4つのビルが駅前に開発されることである。それらのほとんどが30階以上の高さを誇り、全て足し合わせると68万m2の延床面積となる。仮にこれらの全てがオフィスとして活用されるならば5万人以上が働くスペースができることになる。当然そのようなことはないが、それだけのキャパが出来上がることになる。

その中に多くのIT企業が入ることになればどんどんと渋谷というエリアは栄えてくることだろう。今後成長を続ける予定の企業にとってもスペースが広がる見込みのある渋谷は勝手がいい。そういった点からも過去の問題を克服し、ビットバレーは日本のIT企業の一大拠点となることは間違いない。

IT企業がビットバレーに集まる意味

そして、IT企業が渋谷に集う理由は単純である。徒歩で移動できる圏内に様々な企業が存在すれば、その中で交流が生まれ、人材の流動性に情報の共有など、顔を合わせることができるからこそ生まれるメリットが様々だ。Skyland Venturesは投資をする条件に渋谷での創業を掲げているが、それもシリコンバレーのVCが車で2時間以内のスタートアップのみに投資をするのと全く同じ発想だ。もっともそういった意味では都内23区端から端でも2時間はかからない東京という土地は世界で最もコンパクトで大きな都市であることは間違いない。(事実、世界の都市で東京は人口、域内総生産、売り上げ高世界トップ500入りの企業数の全てで1位を記録している)

そんな東京でさらに、徒歩10分以内の範囲に多くのIT企業が集中している。またそれらの企業から独立したスタートアップもまた渋谷に拠点を構える。渋谷にIT企業が集まればビットバレーはシリコンバレーへと変貌を遂げるのかもしれない。