インターンという言葉は廃止した方がいい


もはや市民権を得たインターンという言葉。
ただ、私はこの言葉自体をなくしたほうがいいと思っています。

名ばかりとなったインターン

インターンという言葉は近年非常によく聞くのですが、その中でも長期インターンと短期インターンに主に分けられるのではないでしょうか。よくベンチャー企業などで存在する実務を行う長期インターンと採用の一環として学生を見極めるために行う短期インターンです。ちなみに、インターンというのは日本語にすると職業体験なわけで、実際の実務をさせることはインターンの定義に反します。そういった意味では長期の方のインターンというのは言葉が間違っているわけですね。

そして私が疑問を感じるのもその長期のインターンです。学生のうちに経験をとか、起業したい学生が社長の下でかばん持ち!とか言うわけですが、学生が思っているその姿と実際のものにはギャップがあります。というよりは企業が都合のいいように見せているわけですね。インターンなんかしても経験という経験は得られません。だって企業は安くやる気のある労働力が欲しいだけなんだもの。実際にやるのは雑用だけです。

学生に事業を任せる会社など存在しない

ものすごい当たり前のことを言います。学生に事業を任せる企業って普通にやばいです。私みたいな学生の経営している会社でも、学生が入ってすぐに事業を任されることなどありません。それなりの成果を残した場合は当然そのような待遇が与えられますが、入社してすぐそれが任される状況の会社って経験のない学生レベルのそんないい加減な人間を働かせているわけで、当然のようにやばいわけです。

普通の企業が新卒で人を育てるときは一般的に半年から1年くらい研修期間があってやっと実際に働くわけです。もちろんベンチャーは当然それ以上に速いスピードでそれを何とかしようとしますがベンチャー企業の中でも一般的に3ヶ月くらいはそれがあるんじゃないでしょうか。

一般的にそのくらいかかると思ってください。それが常識の範囲内です。我々のようなもっとベンチャーなベンチャーはそれを無理しまくってスピードを極限まで上げますが、そんなところほとんどありません。だってだいたいのベンチャーの社長ってそこそこ年いってるでしょ。私みたいに18歳から会社やっているやつは過剰にスピードを追い求めていますが、そんなやつはここ数年でしかいません。多くのベンチャー企業はやはり30代の古い人たちが多いです。

可能か不可能かで言えば学生に事業を任せることは可能です。それだけ期待をかけてそこで起こったミスも含めてフォローできるだけの体制を用意したり、余裕のあるキャッシュフローの企業でなければそれができません。我々はなんとかそこを学生社員に事業を経験してもらいたいと思っていますが、それは実績を上げてからです。何もない状態で何かを任せることはしません。
現実として、学生が『インターンで新規事業立ち上げ?楽しそう!』と思うような求人というのは実際ほぼ全て嘘です。そう書いたほうが人が集まるからであってそこに関して企業は驚くほどシビアであるでしょう。

多くのインターンは経験になどならない

まず大前提にして考えなければいけないことがあります。『企業は人を育てるわけではなく利益を上げるために存在する』ということです。起業とかになるとものすごい色々と心配性になる人が、会社に入れば会社は色々勉強させてくれると楽観的に感じていることは謎でなりません。当然成長するという大きな期待を受けたり、会社自体が人を成長させることに重きを置いている場合については成長の機会が与えられるわけですが、外から見れば分かるようにベンチャー企業だからといって成長できるかは疑問です。

そして、先ほど述べたとおり、新入りの1番若い学生に与えられる仕事は雑用です。どれだけ優秀でもそうした年功序列的な考え方が存在する会社がほとんどです。人は弱い生き物ですから人の上に立つとそうしたくなるものです。自分の地位を守りたいからそういう風にするのです。これが多くの会社で人が育たないわけなのですが。

インターンから起業する学生は必ずいる

とはいえ、インターンから起業して大きな成果を上げる学生はいます。だからこそインターンに人が集まることがあるわけですが。特にエンジニアであればそこから大きなプロジェクトを任されたりすることもあります。近年、20代中盤で起業して成果を上げている経営者はだいたい同じ5つくらいの企業の出身だったりします。

だからこそややこしいのですが、こういうパターンのインターンはそもそもインターンの域を超えています。彼らは正社員以上の待遇で働いています。そもそも普通のインターンとスタート地点が違うのですね。インターンという言葉はいいものの最低賃金も払われないところもあれば時給換算で3000円は軽くもらっている学生エンジニアもいるわけです。学生をやりながらですので週3とかの勤務にも関わらず月収は30万円とかだったりするわけです。もはやインターンではないんですね。学生なだけで待遇は正社員以上ですから。
そして彼らはだいたい1年もすれば大学を辞めたり、他の社員が独立する際に引き抜かれたりします。それだけ高い評価を受け、高い待遇で働いているわけです。

インターンという言葉を廃止しよう

だからこそ、そうしたスーパー学生と同じように聞こえてしまうインターンという言葉は、雑用しているだけなのに自分はさも大きなことをしているかのように勘違いしてしまうわけです。ならば普通にアルバイトとその実態を正確に表してしまったほうがいいはずです。そもそも、最低賃金に満たないのに雇用契約とそん色ない状態で実務をさせている時点で労働基準法違反です。インターンですらありません。
本来の意味であれば短期の職業体験の方のみをインターンと称するのが正しく、私も実際にそうすべきだと感じます。

スーパー学生はインターンでもなんでもなく、普通に社員として働いているだけです。学生はそれだけの評価を求めてベンチャー企業に採用してもらえばいいわけです。もしそれで断れるのならばそれはただの学生レベルでしかなわけです。インターンから企業するスーパー学生および学生エンジニアとしてのレールに乗ることはできません。

ベンチャー企業の立ち上げにジョインする

とはいえ、別に私は最初から働いたこともないのに企業にめちゃくちゃ評価されるような特殊例以外は学生が経験を積むことはできませんということを言いたいわけではありません。
私も同じようにパソコンもろくに使えない何もできない学生から始まりました。

一般的な普通の学生はベンチャー企業の立ち上げ段階、ないしは新規事業の立ち上げだったりに参加するのが1番いいわけです。最初の段階ですから当然ながら任せる仕事は腐るほどあります。伸び代だらけなのだから安定してしまって同じことばかりしている企業と違って頑張れば頑張るほど任せられる領域が増えていきます。当然、その段階ならば基本給は出ません。成果を上げて会社の売り上げに貢献して初めて給料がもらえるわけです。

インターンと違って一般的に求人をしているわけではありませんから、ベンチャーの界隈の人と仲良くなってなんとしてでもそういった企業を紹介してもらって、なんとしてでもその仲間に入れてもらいましょう。インターンのような名ばかりで形式ばった雑用をするよりもよっぽど経験が積めます。