ベンチャー投資が上場企業にシフトか?


ベンチャー企業にとってバブルと言われていた状況はどうやらそろそろ終わりのようだ。
上場企業にベンチャー投資は徐々にシフトしつつあるという。

ベンチャー投資は上場企業へシフト

2016年に入り、ベンチャー企業への投資が少し変わった様相を示している。
2014年以降目立ったシード期のスタートアップ企業への投資が減っているというのだ。その原因は非常に単純で、今までのITベンチャーがバブルであったということを投資家が感じているからだろう。gumiに始まり、さらにはグノシーと2015年上場を果たしたベンチャー企業は軒並み良いとは言えない結果に終わった。

そんな結果を受けてベンチャー投資が徐々に、新しい企業から上場してなお業績を上げ続けている上場企業にシフトしているようである。非常に自然な流れではあるが、むしろIT業界からすると20世紀末のドットコムバブルのような、大規模の倒産が相次ぐような状況にならなかったことを非常に喜ぶべきでもあるのかもしれない。

期待を裏切り続けた2015年

2015年という1年は様々な期待が潰えた年であったように思える。2014年のMERYなど多くのスタートアップの買収には非常に大きな高揚感があった。そのあたりからIT企業には平気で数十億の値がつくようになった。また、このあたりがキュレーションメディアに代表される比較的量産型とも言える形の事業モデルが相次ぎ、スタートアップ企業が非常に多く立ち上がった時代にも思える。

そんなときにスタートアップ勢を率いていたのがグノシーだろう。東大院生時に起業しAIやパーソナライズというなにやら新しい言葉を使いこなす福島氏からはシリコンバレーの匂いがした。そんなグノシーは株価をどんどんと下げ、今では忘れられるような存在になりつつある。徐々に立ち上がった高揚感は2015年ですっかりと収まったように思える。

起業家にとって不景気はマイナスか?

売り上げが大してなくとも高い時価総額のついた2014年、2015年は間違いなくバブルに近い好景気のそれであるし、今後は徐々に不景気にITベンチャー業界としては入っていくことだろう。では、現在のそしてこれからのそうした不景気ははたして起業家にとってマイナスなのだろうか。

はたしてそうも思えない。着実にユーザーを増やすことはどんな状況でもできるし、そこに景気は関係ない。グノシーやメルカリのCM戦略のようなお金にものを言わせるやり方こそできないものの、事業を始めるタイミングとしては今はもしかすると最適なのかもしれない。そして、また次にくるバブルで大きな資金を獲得すればいいのではないだろうか。