ウェアラブル端末の今後を考える


その存在は早くからあるも普及には至らないウェアラブル端末。
その今後はいったいどのような路線を描くのか。

アップル、Googleすらも苦戦のウェアラブル端末

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弊誌でも紹介した通り、Apple Watchの滑り出しは散々なものであった。iPhoneで覇権を獲得したアップルでも、そのアップルブランドをもってしてもその売り上げは散々なものであり、Google Glassを含め、ウェアラブル端末はいまだにヒット商品を生み出していない。

コンピュータがPCという個人で扱える規模へと、そして手のひらに収まるスマートフォンへと新しいプロダクトが生まれてきたその系譜はウェアラブルデバイス、つまり身に付ける端末へと変化することが予想されているものの、現状としてその未来が訪れる気配はまだまだない。アップルにGoogleといった2大巨人でも苦戦を強いられている現状を見るになかなか前途多難だと言えそうだ。

PCからスマートフォン、ウェアラブルへ

考えてみればウェアラブル端末のヒットは約束されたようなものである。体に身に付けることによってできる機能というのは十分に存在する。スマートフォンでできなかったことがウェアラブルデバイスでできるようになるのだ。
マップを表示すれば、スマホ片手に下を向きながらうろうろする必要はなくなるし、体から得たデータであなたの健康を管理してくれる。そして、かざすだけで支払いができるようにもなるだろう(もっとも、静脈認証によってデバイスすら必要になる可能性も十分にあるが…)

ガラケー時代のスマートフォンへの印象は『別にタッチパネルがわざわざついていなくても…』であった。新しいものが出たときの一般消費者の反応はおおよそそんなものである。そこまで便利なものなんていらないよと言いながら、普及してしまえば『ないと困る』となるわけである。それがイノベーションというものだ。今では技術過多であるように思えても、10年もすれば『ウェアラブルデバイスがないなんてそんなの考えられない…』ということが起こる。

ウェアラブルデバイスのストロングポイントは何か

ガラケーとスマートフォンの違いは、タッチパネルによる快適な操作による部分が大きいだろう。パソコンを手のひらに、というような進化の系譜は置いておくとして、消費者はガラケーからスマートフォンに替えたはずだ。それは、処理能力の高さという部分ももちろんあるが、見栄えする大きな違いはタッチパネルによる様々な操作ができるようになった部分にある。スクロールによって文字を読むことがスムーズになったことや、アプリという形式によってそれぞれができる機能が明確化したことが挙げられるだろう。今まで、何をするにもおおよそブラウザを介していたガラケーからアプリケーション上で機能が完結するようになったことで、さっと様々な機能へと移れるようになった。

では、この場合の、すなわちウェアラブルデバイスのスマートフォンとの違い、もっと言えばスマートフォンにはできないことはなんだろうか。
1つすぐに出てくるのが、ユーザーの情報をキャッチできるということだ。健康の情報などをデバイス上からデータベースへと直結させるのはウェアラブルデバイスにしか出来ない点であろう。そして、次にニュースなどの情報については優位性がある。スマホを常に見るわけにはいかないが、Apple Watchなどの腕時計の端末であれば情報が入った瞬間にプッシュ通知で知らせてくれるし目に入る。他には、サッカーや野球の試合結果をリアルタイムで知りたいと思ったら、移動中でも常に表示させるようにしておけば満員電車の中でも情報に触れられる。株価などの指標についても同様だろう。

また、家の鍵や車の鍵の代わりに使うということも考えられうる。取り出す必要もなくロックを解除できるとあれば利便性は非常に高いでしょう。ただ、先述の通り、静脈などの認証の方がより利便性が高いでしょう。

ウェアラブルデバイスの主戦場はビジネスシーン

現状、ウェアラブルデバイスについて最も期待ができるのはビジネスシーンであろう。工場や建築現場などの両手が離せないときにも、ウェアラブルデバイスを利用すれば設計図や配線などをすぐに目にすることができる。手がふさがっている状況では、スマートフォンなどの端末では役に立たない。接客などの現場についても手がふさがるよりも効率的だろう。すでにアメリカ航空機製造大手の米ボーイング社では配線などの情報を見るために利用されている。イギリス航空会社のヴァージン・アトランティック社は顧客の顔を認識し名前が表示されるようにGoogle Glassを活用している。

また、スポーツのシーンでもすでに活用が進んでいる。ユニフォームにセンサーを配置し、移動の記録や心拍数、スタミナなどの低下などのすべての情報を記録することが可能である。イタリアのサッカーリーグセリエAの『ACミラン』、アメリカのバスケットボールリーグNBAの『ヒューストン・ロケッツ』など世界中のプロスポーツチームがそういったシステムを導入している。

このように、一般ユーザー向けというよりはビジネスシーンなどの制約された状況下で真価を発揮する可能性は非常に大きいのではないだろうか。アクセサリー的な側面も持っていることからも、一流ビジネスマンが仕事上で使用している認識が広まればブランド性も高まり普及する可能性は大いにある。