SFCフォーラムが起業ファンドを立ち上げ


慶應大学SFCと言えば起業というワードが頻繁に出てくる。
そのSFCを支援する財団法人が起業支援ファンドを立ち上げることになった。はたしてどのようなものなのだろうか。

『SFCフォーラム』が起業ファンドを立ち上げ

慶応大湘南藤沢キャンパス(SFC)の活動を支援する財団法人「SFCフォーラム」(神奈川県藤沢市)が、4月にも起業支援ファンドを立ち上げることが17日、明らかになった。膨大な電子取引情報「ビッグデータ」解析や人工知能(AI)開発、あらゆるものをインターネットでつなぐ「IoT」などIT分野を中心に資金を拠出する。

出典 http://www.jiji.com/

慶應SFCに対する活動を支援する団体が、起業支援ファンドを立ち上げることが本日明らかになった。SFCで行われている最新のテクノロジーの研究分野を基にした事業に対して資金を投じるとされている。
ファンド規模は3~5億円であり、SFCの研究成果に基づく事業を対象としている。事業展開や経営状況について細かく管理するとしている。運営期間は10年を想定とのことである。

慶應SFCの功績

慶應義塾大学のある三田キャンパス(おおよその学部は最終的なキャンパスが三田周辺にある)とは遠く離れた湘南にできたのが湘南藤沢キャンパスであり、総合政策学部、環境情報学部、看護医療学部の3つの学部が籍を置いている。主にSFCという呼び方をする場合は総合政策学部、環境情報学部を指す場合が多く、特徴的な研究を行っている。

その成果か、クックパッドカヤックスパイバーといった起業を生んでいる。SFCには起業などを志す学生が多く集まると言われ、25年ほどの歴史の中でこれだけの成果というのははたして望ましいものであるのかそうかは分からないが、起業家を生んでいることは事実だろう。

はたして大学発のファンドは成果を出すのか

前述のスパイバーなどはまさにSFCの目指したものであると言えるだろう。蜘蛛の糸にヒントを得た繊維の研究を行う企業であり、多くの資金調達も行っている。今回のファンドもまたそうした企業を生む目的で設立されたのであるのではないだろうか。
とはいえ、懸念点がある。今回のファンドの規模は3~5億円というあまりに小さい規模であり(スパイバーはトータルで47億円程度調達している)、なおかつファンドが企業を細かく管理しているということである。

多くの社内ベンチャーが失敗する理由は、企業がそのベンチャー(事業)を管理しようとする姿勢にある。結局そうした状態で事業はどんどんとスピードを落とし、おまけにあらゆる人間の意見を聞いているうちにその内容はどんどんと普通のつまらないものになってしまう。今回のファンドについても同じような結末が予想できるのではないだろうか。UFJの起業支援も同様であるが、そうした意味でもあまり期待はできなさそうだ。