三菱自動車の燃費に関する不正な操作が発覚


三菱自動車が燃費を良く見せようとする不正な操作があったことを発表した。
フォルクスワーゲンに関する不正があったのはごく最近のことであるがまたしても自動車産業の不正発覚ということになりそうだ。

三菱自動車の不正が発覚

2016年4月20日、三菱自動車は会見を開き、燃費試験のデータについて、燃費を実際よりもよく見せるために社内で不正な操作があったことを発表した。走行試験で得た『走行抵抗値(走行時のタイヤなどの転がり抵抗や空気抵抗)』のうち、小さい数字を意図的に国土交通省に提出し、燃費や排ガスを計測していた。結果としてカタログ上の燃費が5~10%水増しされたことになる。

フォルクスワーゲンによる不正が世間を騒がせて久しいが、次は三菱自動車の不正が発覚した。またしても燃費の偽装であり、自動車業界への不信感はより高まった形となっている。

不正が明らかになったのは主力ラインナップの4車種

不正が明らかになったのは4車種であり、そのうち三菱自動車の『eKワゴン』と『eKスペース』はこれまで累計で15万7000台を販売している。日産自動車に供給している『デイズ』と『デイズルークス』は46万8000台。それぞれ軽自動車の主力商品であり、数多くの販売がなされている。

該当車種は既に水島製作所(岡山県倉敷市)での生産と販売をストップしている。日産の販売店でも20日からすでに対象となる軽自動車の販売を停止している。『デイズ』は2015年度の軽自動車の販売台数ランキングで3位に入る人気車種であり、その打撃は大きいだろう。

三菱自動車不正の原因とは

三菱自動車は今回の数値の不正について、『第一性能実験部』が関与したとの見解を述べている。外部の有識者のみによる委員会を設置し、不正に至った経緯や全貌を解明していくとのことだ。不正の発覚は、事業提携をしている日産自動車からの指摘がきっかけだった。日産が昨年11月、三菱自動車が開発した軽自動車の燃費を試験したところ、走行抵抗値が国交省に提出されていた数値と明らかな開きがあった。今年2月に両社で調査を始め、4月に不正が判明した。

事件の全貌を三菱自動車はこう語っている。2016年5月18日、子会社である三菱自動車エンジニアリングの管理職が、燃費データのもとになる走行抵抗値を算出する試験をタイで行ったが、想定通りの数値が得られなかった。このため、不適切な低い値のデータを使って、机上計算した走行抵抗よりさらに低い値を作成。三菱自動車の性能実験部の管理職に提示した。性能実験部の管理職は不適切と知りながら承認したという。

このことによる三菱自動車をイメージダウンは避けられず、3~5割ほどの販売が落ちると言われており、三菱自動車の下請け7800社の企業で合計4万人以上の失業者が出るとも言われている。