LINEが四半期決算を発表した。
今回の決算では今までとは違った新たな動きが見えてきている。
LINE四半期決算を発表
LINEは2016年4月28日、2016年1-3月期(Q1)の決算を発表した。
LINE全体の売上高は341億円(前年同期比21%増)で、売上高の割合は『広告』が35%、ゲームなどの『コンテンツ』が35%、スタンプなどの『コミュニケーション』が22%となっている。中でも広告は海外を中心に急速に伸長しているという。
柱である事業のLINE事業単体の売上収益は309億円(前年同期比22%増)と売上高のほとんどを占める。LINEの月間アクティブユーザー数(2016年3月末)は、全体で約2億1840万人(前年同期比7%増)、主要4カ国(日本、タイ、台湾、インドネシア)では、約1億5160万人(前年同期比23%増)となった。日本のみのユーザー数は公開されていない。
LINEの広告分野が拡大
今まで、売上高の割合ではコンテンツが40%を超えるなど最も割合が大きかったが、広告が35%とコンテンツに追いついた。ゲーム頼みの状況から顧客とユーザーとのコミュニケーションという形が生まれている。徐々にLINEの取り組んできた構想が実になっていると言えるだろう。
広告分野では、日本、タイ、台湾など主要国を中心に順調に拡大している。従来のLINE公式アカウント、スポンサードスタンプ、LINEフリーコインなどの広告商品に加えて、日本ではニュース配信サービス『LINE NEWS』の広告メニューおよびLINEのタイムライン上での広告配信が好評だという。
今後は、LINEの連結子会社であるM.T.Burn(エム・ティ・バーン)が保有するスマートフォン向けネイティブ広告プラットフォーム『Hike(ハイク)』を基盤とした広告配信システムに移行。LINEのタイムラインなどを掲載面として、より詳細なセグメント分析に基づく運用型広告を6月より開始する予定である。SNSではFacebookが独自のアドネットワークを使用しているが、LINEもこうした部分に力を入れている。
続々と進むLINE生態圏
LINEは生態圏という言葉を用い、LINEというメッセンジャーでのコミュニケーションを軸としてゲーム、企業とのコミュニケーション、決済、ニュース配信など様々なユーザーの生活にまつわるサービスを展開している。
コミュニケーション分野では、ユーザーがLINEの着せかえ(画面全体のデザイン)を制作・販売できる『クリエイターズ着せ替え』の販売を4月26日に開始している。スタンプと同様に一般のクリエイターが販売を行える。
発売前までに登録申請は5000セットを超えた。また、夏には新たなスタンプの形として、LINEのトーク画面全体を活用したスタンプである『ポップアップスタンプ』の提供を予定している。
今後も次々とLINEは進化していくだろう。