Facebook、空間音声手がけるTwo Big Earsを買収


FacebookがさらなるVR動画の充実に向けて動き出している。
空間音声を手がけるTwo Big Earsの買収で今後VR動画はさらに進化する。

FacebookがTwo Big Earsを買収

Facebookは、VR音響の技術を開発するTwo Big Earsを買収した。Two Big Earsは、空間音響の開発を行っており、今までのような1方向からの音声ではなく、より立体的で多方向から聞こえるような音響技術を保有している。なお、同社はイギリス・エディンバラにある空間音声企業だ

また、それに伴い、FacebookはVR動画用空間ワークステーションを『Facebook 360 Spetial Workstation』として無料で開放するという。

VR音響を買収した狙い

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Facebookの狙いは明らかだ。Oculus Riftを買収して開発を進めるVR技術の音声を強化しようとしているのだろう。今回の買収によってよりリアルな空間に近い体験が音声を通してもできるようになるに違いない。

Facebookはよりリアルな現実の空間と変わらない(重力や空間などの制約がないことを考えれば現実以上の)コミュニケーションを実現させようとしている。そのために音声は欠かせない要素であろう。実は、音声というのは映像以上に立体的にとらえるのが難しい。

VR音声の課題

まず、音声というのは左右の耳で到達のタイミングが違うし、聴こえ方も違う。点と点で考えても解決するわけではない。また、音源は必ずしも一つではないから、左右の耳で聴こえる音も違うだろう。

さらにそれだけではない。音は波であるから干渉するし、頭の周りを回り込んで反響したりもする。ただただ、イヤホンから音を出すだけではそれはリアルな体験にはなりえない。
VR音声はこうした課題を未だに抱えていると言えるだろう。

Facebookが提供するのはコミュニケーションの全て

Facebookはすでにライブ動画に力を入れているが、これは従来のSNS上に投稿をする、画像をアップするといったコミュニケーション以上のものである。リアルタイムでのコミュニケーションができるようになるわけである。このVR技術を利用すればグループチャットのような感覚で複数人でVR空間上で会話をしたりスポーツをしたりすることもできるだろう。

そして、さらにFacebookから音楽ライブに参加することもできるかもしれない。これは、Facebookでライブの申し込みをするわけではない。Facebook上でアーティストが音楽ライブを発信すればVRをセットしたユーザーは家の中から実際のライブと遜色ない体験を行うことができる。FacebookはそうしたSNSを超えたコミュニケーションのプラットフォームを目指しているのであろう。