Skype創業者ニクラス・ゼンストロームの経営哲学


Skypeの創業者ニクラス・ゼンストロームを知っているだろうか。
波乱万丈の起業家生活を歩んだ彼の経営哲学とは。

ニクラス・ゼンストロームという男

ニクラス・ゼンストロームという起業家をご存知だろうか。
彼の名前を知らずとも彼の作ったサービスを聞けばすぐにその偉大さが分かるだろう。彼は『Skype(スカイプ)』を作った。Skypeは現在のLINEやワッツアップなどの通話サービスの走りになったもので、インターネット上のネット回線を通して顔を見ながら通話が出来るサービスだ。この仕組みにより、今では電話線を使う以外にインターネット回線を使って通話やテレビ電話をするのが当たり前になった。

特に、国を挟んだ人々がコミュニケーションをとる際に従来の高価な国際電話ではなく、基本無料(ユーザーにとって)のインターネット回線を利用するコミュニケーションの形式は大きな影響を与えた。
その創設者であるニクラス・ゼントロームは起業について『起業とは、世間と逆をいくこと』と語っている。

Skype創業者の波乱万丈

ニクラス・ゼンストロームは教師の両親のもとに1966年スウェーデン・ストックホルムに生まれ、スウェーデン・ウサプラ大学で経営学と高額物理学の学位を取得したのちにミシガン大学も卒業している。大学院卒業後は1993年に北欧を中心とする通信キャリアのTele2社に入社し、ISPサービスの立ち上げなどに従事。そして、2000年にヤヌス・フリスと共にP2Pサービス『Kazaa』というファイル共有アプリケーションを開発、会社を立ち上げた。このKazaaは2003年にには世界で最もダウンロード数の多いソフトウェアにまで成長したものの、ファイル共有に関する著作権侵害をめぐってアメリカの音楽映像協会から裁判を起こされ、事業売却を余儀なくされる。

そして、その語数社の立ち上げおよび運営に携わったニクラス・ゼンストロームは、ヤヌス・フリスとともにSkypeを立ち上げた。このSkypeは2005年にeBayに26億ドル、2011年にその当時異例の85億円で買収されるわけであるが、その道は決して平坦なものではなかったという。

Skypeは平坦な道ではなかった

『自分が大きなことをできることを、自分と他の人に証明したかった』という理由で起業の道へ進んだニクラス・ゼンストローム。『世界中の人々のコミュニケーション・スタイルを変えたい』との願いからSkypeの構想を完成させるものの、2億円の出資額を求め26社にプレゼンをするも、『インターネットで人と人がコミュニケーションをとれるなどありえない』と信じられていたために全く受け入れられなかったという。
どうにかSkypeを立ち上げる1年前の2002年に目標額である2億円の出資を取り付け、その2年後には21億円の出資を確保しSkypeは軌道に乗ることになる。

このときを振り返り、ニクラス・ゼンストロームは、Skypeがその当時どんなアナリストにも注目されていなかったように、Googleの創業時、サーチエンジンがビジネスになるなど思われていなかったように、多くの偉大なビジネスは誰にも気づかないところにあると言う。『起業とは世間と逆をいくことなんだ。』と彼は語っている。

Skype創業者の経営哲学

Skypeの共同創業者のヤヌス・フリスは『Starship Technologies』を2015年11月に起業し、自動配達ロボットの開発に取り組んでいる。そこでは、待ち時間や環境への負荷などをゼロに近付けていくことを目指している。
ニクラス・ゼンストロームは、現在ロンドンを拠点としベンチャーキャピタルAtmico社を経営し30社以上のベンチャー企業へ投資し画期的なビジネスモデルを持ったベンチャーを支援している。彼の個人資産は1560億円を超えると言われ、世界が注目する実業家の1人である。

誰にも相手にされなかったSkypeを世界的サービスにした彼が語る起業に対する哲学は非常に重みがある。