クラウドファンディングが次はアーティストに焦点を当てる。
家入一真氏ははたして音楽業界をどう変えるのだろうか。
CAMPFIREがより音楽業界の支援に
『CAMPFIREで音楽を強化していく新しいサービスを立ち上げます。アーティストが、ファンが、音楽に『燃える』ような気持ちを助けるための薪になりたい。声なき挑戦者の、小さな火を灯しつづけたい。そんな気持ちではじめていきます。どうぞお楽しみに』
先日、クラウドファンディングのCAMPFIRE代表の家入一真氏はこうブログに記した。
クラウドファンディングサービスの中でも、国内最大規模を誇るCAMPFIREは、2016年2月に手数料を20%から5%に引き下げたことでも話題となった。CAMPFIREの由来は、中央で火が燃えたぎり、その周りを人が踊る様、つまり誰かの挑戦を周りの誰かが祝福すること、そして薪をくべることでどんどんと火が大きくなっていくことからなるという。
小さな挑戦がもっと簡単にできるようにというところから始まったクラウドファンディング、CAMPFIREであるが、そこで音楽やアーティストを今まで以上の支援する予定だという。家入氏がその展望について語っている。
力なきアーティストを支援
インターネットによって人前に出ることや、何かを発信することは非常に容易になった。その1つの形がニコ生やYouTubeなどで活躍するアーティストである。彼らの中からメジャーデビューを果たしたアーティストも決して珍しくない。とはいえ、今の時代、レコード会社や事務所に所属していても予算がないというケースはざらであるという。それを小さな形からサポートするのがクラウドファンディングになると考えているのだという。
音楽というジャンルは大きく変化している。今までは、CDを買わなくては音楽が聴けなかったが、今ではYouTubeなどで無料で聴けるようになっている(もちろん違法な形の場合も存在する)。それ自体は目線を変えればアーティストの収入が減っているということだ。実際、音楽業界は市場規模が大きく減っている。ビジネスモデルはその中で変化していく必要があるのだという。
また、家入氏はクラウドファンディングが打ち上げ花火になってしまっていると感じているのだという。打ち上げ花火とは、そのプロジェクト自体の成功がゴールになってしまうということを指している。一度限りの支援になってしまって継続的な貢献が難しいのが現状なのだという。
定額支援ができるCAMPFIREファンクラブ
それを改善するために、家入氏が考えているのはクラウドファンディングを核としてプロモーションやブランディングを実現することだ。
その1つの形が、CAMPFIREファンクラブである。500円の支援で毎月お礼のメールが届いたり、1万円の支援でファンミーティングに参加できるなど、継続的な支援をアーティストが受けられるようになる。そのことで制作に充てたり、安定的に活動を行えるようになるのであるという。
アーティストでもプロとアマの垣根というのは徐々に低くなってきている。事実、レーベルや事務所と契約を行っていなくとも、ニコ生やYouTube上で活動しそれを専業にしているアーティストもいる。CAMPFIREの仕組みが広がれば今後もっと軽い形でアーティストとして活動できる人も増えるのではないだろうか。