amazonの配送ビジネス参戦が有力に


amazonがまた大きな市場をとるかもしれない。
配送まで自前で行うようになれば、世界最大の物流企業になるだろう。

amazonが配送ビジネス参入か

本日2016年9月1日(アメリカ時間8月31日)に発表されたBloombergの記事は大きな衝撃を与えた。EC最大手のamazonが運送業に算入する可能性があるというのだ。配送処理の中心となる倉庫、大口航空輸送、そしてトラックによる輸送などあらゆる手段を統合して世界で最大のグローバル運輸ネットワークが完成する可能性がある。

amazonの商品を届けているのは、UPSやFedExなどの運送会社、日本では佐川急便やヤマト運輸であるが、amazonはついにそれを自社で行うことになるのかもしれない。

amazonは物流を変えてしまうのか

amazonが運送業者に多くの要求を突き付けてきたのは有名な話であり、UPSなどの運送大手にとってamazonは大口の顧客であることからそれを跳ね除けることはできなかった。amazonの送料無料を実現しているのは、amazonが多くの商品の輸送を発注することを理由として、低価格での輸送を要求してきたからだ。そしてそれはおそらく限界まできている。

現在の物流にこれ以上の値下げやスピード配達は無理だろう。というのも、効率化はおそらく限界まできている。これ以上改善される見込みは薄い。しかし、amazonならばそれができる可能性がある。Kivaロボットで倉庫内のオペレーションで数十%のコストカットを実施するなど積極的にロボットの活用を進めてきていることからもそれが期待できる。

amazonが既存の物流を大きく変えてしまうという仮説には強い根拠がある。それが、amazon web service通称AWSである

AWSの再現なるか

もともとそれは、amazonが自社のeコマース事業のために開発したサーバーやデータベースなどのインフラであった。相当なユーザーのアクセスを裁き、商品の管理を行う上で圧倒的な処理を行う必要があるamazonの構築したインフラは他社が使用するほどの今や最大のクラウドサービスになっている。amazonにおいてECと両輪をなす大きな柱である。

このAWSも当然のように、amazonが事業で必要としたシステムを他社も利用できるように転換したものだ。
では、同じことを想像することは難しくないだろう。amazonは配送インフラを構築する可能性が十分にある。

すでに配送サービスへの布石が

amazonは2016年8月、航空貨物部門としてPrime Airを正式にスタートさせている。40機の機材はAtlas AirとATSGから2年契約でリースを受けており、 それだけはなく、独自の貨物運送用トレーラー開発やFlexと呼ばれるプログラムを推進している。すでにamazonはこうした過程を進めていると言えるだろう。

今まで出た利益の全てを投資に使い(主に自社倉庫などの構築)、赤字を保ってきたamazonであるがついに利益が残るほどに業績が好調になってしまった。そのお金が次はどこにいくか、それが世界最大の配送のインフラであることはもはや疑いのないことなのかもしれない。
amazonによって配送はドローンで行われるようになるのかもしれないし、自動走行車が全てをまかなうのかもしれない。今までのそれと大きく異なることは間違いない。

amazonが配送プレイヤーとして今まで取引先だったUPSらをディスラプトするのはおおよそ既定路線のような気がしてきた。