AIはセールスマンの仕事をどう変えるのか


AIを用いたらセールスマンの仕事はどうなるのだろうか。
今まであまり注目されなかった、AIのある仕事の在り方に注目していく。

AIはどう仕事を変えるのか

AIに仕事を奪われるという不安が我々を襲っているが、はたしてそのとき我々の仕事はどう変わるのだろうか。
我々の仕事がなくなるという危機は煽られるもののAIが現場に活用された際にどのようなことになるのかは語られることがない。

すでにAIが結果を出しつつあるのは医療の現場である。ベテラン医師でも見つけられない病気をAIは見つけ出すことにも成功している。では、セールスマンの仕事はAIによってどんな形に変わるのだろうか。

セールスのためのAI

セールスにおけるAIの導入については、営業支援や顧客管理のためのクラウド型サービスを提供しているSalesforceは、2016年9月にAI『Einstein』をリリースした。その中で、営業の仕事はどのように変わるのか。

Einsteinは、予算目標をこのままだと達成できるかどうか、今の案件の見込みがどれだけあるかということを冷静に分析し、セールスマンに指示を出す。Einsteinの裏側では、見込み客の担当者の部署や役職、そして企業の規模などから見込みをスコアとして定量化する。だからこそ最優先の見込み客からアプローチすることができるだろう。

見込み客とのメールの文面を作成するのはAIだ。AIが最適な文面とその送信のタイミングを自動的に実行する。各セールスマンの1日の行動記録もAIが勝手に構築してくれる。セールスマンは日報を書く必要はない。

すでに導入可能なセールスの最適化

AIが人間に指示を出すなんてまるでSFのような話だと思うだろう。しかし、このようなマネジメントを実際にしている企業が存在する。
Fitbitでは、すでにデータを収集してその結果に応じて最適な解をプログラムによって導き出している。AIが指示を出しているのに近い状態である。

B2Cならばすでに多くの場合、AI(ないしはそれに近い形)が導入されているだろう。ユーザーの特性に応じてアプローチの仕方を変えてDMやメールを送っている。メールマガジンでも、ユーザーの開封率などからアクションを変えている。

例えば、スポーツショップならば、贔屓のチームが勝ったかどうかでユーザーの行動は変わる。このように、外的要因もまたAIセールスマンの判断基準の1つになる。特徴量を人間が設定さえすればそのアルゴリズムはそう複雑ではない。導入は比較的簡単だろう。機械学習や統計処理を学んだ大学院生ならばこのくらいはできてしまう。

セールスへのAI完成はまだ遠い

現時点でもセールスマンの業務はあらゆる部分で最適化が可能だ。各自の行動は、クラウド上で自動に管理することができるし、どんな顧客は見込みがあるかどうかもある程度データに基づき学習することができるだろう。
ただ、数値で定量的に表すことができない部分はコンピュータは扱うことが難しいし、そういった意味での課題はまだ残る。

この先、どうなるだろうか。