SUPER MARIO RUN、売り上げは予想の5分の1へ


任天堂から出た待望の新たなスマホアプリ。
SUPER MARIO RUNの思わぬ失速に株価は下がる一方である。

マリオランの影響で任天堂株が下落

任天堂株が続落した。マリオシリーズのアプリ『SUPER MARIO RUN』のリリースを受けて任天堂株は一時、前週末比で6.3%安の2万4735円まで下落した。Pokemon Goのヒットを受けて任天堂株が急騰したことと対照的である。(なお、Pokemon Goは任天堂における経営にあまり影響しない。)

なぜマリオランの売り上げはここまで低いものになってしまったのだろう。そこには任天堂のスマホゲームへの見通しが外れたことが影響している。

マリオランの売り上げは予想の5分の1へ

海外調査会社SuperDataはこのマリオランの1ヶ月目のセールス予測を当初予想していた約6000万ドルから約1200万ドル~1500万ドルへと下方修正している。売り上げが当初の予測の5分の1になるという事態になっている。

マリオランのダウンロード数ランキングは国内市場で首位に付け、売上高では3位となっている。マリオラン推定ではあるが、初日の売り上げは400万ドル、ダウンロード数は1000万以上であったと推定されている。マリオランの価格が1200円であるから、有料ユーザーは4%であると想定される。

初日の各プレイヤーの平均プレイ時間は、マリオランは約16分であり、Pokemon Goの約22分、クラッシュ・ロワイヤルの約28分に比べるとユーザーがプレイした時間が短いことが分かる。その一因として無料プレイだとそこまでやり込み要素がないため、伸びなかったのではないかとも考えられる。これは無料でもPokemon Goは楽しみ続けることができるのと対照的である。

マリオはスマホに合わなかった

このような事態になった原因の1つとして挙げられるのは、そもそもマリオランの期待値が高すぎたということである。Pokemon Goはたしかに大成功を収めたし、マリオもポケモンに優るとも劣らない強いIPではあるが、スマートフォンでプレイするには、スマートフォンのゲームの収益の構造と比べるといささかマッチしていなかったのではないだろうか。

1200円という価格で最後までプレイできる買い切りの形をしているのがこのマリオランではあるが、ユーザーは買い切りという仕組みそのものに反感を示している。その声の中には課金ができない若い年代もいるとされており、そういった意味ではこの声をあまり想定していなかったように思える。無料プレイ+ガチャという仕組みに任天堂の想像以上にユーザーは慣れてしまったということだろう。

買い切りの形をとっている以上、今後ステージを追加するなどしてユーザーの反響を得て有料ユーザーを増やすしかないだろう。