2017年はもしかしたらすごい1年になるかもしれません。
世の中というものはある程度周期性を持って進んでいく中で、第2のFacebookが生まれる可能性があります。シリコンバレーのVCが注目するコンシューマーのプラットフォームははたして今年2017年に誕生するのでしょうか。
2016年の多くはB2Bであった
2016年のトレンドと言ってはなんですが、世界的に(特にシリコンバレーの)大きな特徴としてB2Bの企業への投資、そしてイグジットが多かったように思えます。いわゆるFacebookやamazonなどの我々消費者の利用するサービスがB2Cということになります。(厳密にはB2B2Cという区分もありますがそれは今は考えません。)
B2Bで言えば、Slack、Zenefits、Stripeなどはこれにあたります。我々消費者が直接利用しないものはB2Bになるわけです。日本で言えば、freeeやラクスル、Wantedlyなどがこれにあたります。当然馴染みはB2Cに比べると薄いです。
GoogleにFacebook、amazon、Appleといった4大巨人は全てB2Cです。そういった意味では巨大な企業はB2Cに多いと言えるかもしれません。ただ、2016年に投資されたのは決済や自動運転、AIの研究などのB2B企業がシリコンバレーをはじめとした世界的には多かったと言えます。トレンドとしてはB2Bが多いと、実際そう言われていました。
B2Bの1つの特徴としては特定の技術などに優れているため買収されることでイグジットされるケースが多いことです。FacebookがVR音声のTwo Big Earsを買収したのは1つの例です。そういう意味で外れが少ないでしょう。
コンシューマーにはプラットフォ-ムが生まれる
B2Cの企業、いわゆるコンシューマのサービスでは、数年に1度プラットフォームになりうる企業が生まれます。それがApple、Google、amazon、Facebookといった存在なわけです。彼らは非常に大きな影響力を持ち、Appleの製品の仕様が変われば多くの企業は変更を余儀なくされ、Googleのアルゴリズムが変われば多くの企業が対策を必要とし、amazonの領域が変われば多くの企業がシェアを奪われ、Facebookの機能が変われば多くの企業がそれを利用します。
このように、あまりに大きな力を持つのがこれらのようなコンシューマ企業ということになります。
こうしたプラットフォームがいつ生まれるのか、そしてそれらはどんなプラットフォームなのかVCや起業家は常にそれを探っています。その候補が今ではSnapなのかもしれません。SnapはInstagramとの競争に負ければ当然プラットフォームにはなれません、Twitterと同じ道を歩むでしょう。
そして、シリコンバレーの起業家は2017年に新たなプラットフォームが生まれるのではないかという予測をしています。今年、第2のFacebookが生まれるのかもしれないのです。Appleはハード、Googleは検索、amazonはEC、FacebookはSNSです。となると次は何でしょうか。次に世界を支配しうる新たな存在は何なのでしょうか。
プラットフォーマーは世界初の存在である必要はない
iPhoneは世界初のスマートフォンではありません。Googleは世界初の検索エンジンではありません。amazonは世界初のECサイトでないし、Facebookも世界初のSNSではありません。今まで生まれたプラットフォームは全て世界初の存在ではないのです。しかし、スマホに、検索に、ECに、SNSに巨大な可能性を感じたのはスティーブ・ジョブズ、セルゲイ・ブリンとラリー・ペイジ、ジェフ・ベゾス、マーク・ザッカーバーグ、彼らだけでしょう。世界初の存在であってもその大きな可能性を確信することができ、その上で最も優れた存在でなければプラットフォーマーにはなれないのです。
世界初の存在がプラットフォーマーになるわけではない、ということはすでにその分野が存在しているかもしれません。ということは、今すでに生まれたサービスや分野の中から第2のFacebookが生まれる可能性は高いということです。
今注目されている市場はVR、AR、IoT、AI、FinTechなどですが(あえて広い範囲でバズワード的に並べました)、それらの中から新たな存在が生まれるのでしょうか。検索やSNSについては当初特別注目されていた存在ではありませんし、そういう意味ではこれらとは全く別のところから出てくるのかもしれない。
コンシューマーには一定の周期がある。
なお、コンシューマーのプラットフォームが生まれるのにはある一定の周期が存在すると考えることができます。Apple、Google、amazon、Facebookはいずれもある程度誕生したタイミングがずれています。一定のペースで生まれると考えても不自然ではないでしょう。
なぜ一定のペースであるのか、それは技術的なハードルをクリアすることで新たな分野が生まれるからです。iPhoneは多くの部品の小型化がなければ生まれなかったし、GoogleはPCのスペックがある程度でなければ実現できませんでした。このように、そのタイミングだからできることがあると考えることができます。
今、この世界の技術や人々の在り方であるからこそ生まれるものというものが存在するということが言えるでしょう。だからこそ周期性が自然と存在してくるというのはある意味納得できる話です。Facebook以後、その次の存在は未だありませんそろそろ生まれていいのではないでしょうか。
2017年にはそういった期待を持って挑みたいものです。