Airbnbと東京大学、異色のタッグが決定した。
民泊をはじめとした解決策で日本の抱える住居や宿泊施設の課題に対してアプローチをしていく。人口の減少していく日本において非常に大きな問題であるがはたして。
Airbnbと東京大学が共同研究へ
Airbnbは本日2016年1月12日、東京大学との共同研究を開始することを発表した。
民泊における社会課題解決の可能性について、東京大学城所哲夫研究室(東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻)および、東京大学大月敏雄研究室(東京大学大学院工学系研究科建築学専攻)とAirbnbがタッグを組み取り組んでいく。
現在、日本の都市では人口の減少といった理由から、約820万戸の空き家が存在する。これらの空き家の中には、廃屋になるなど危険な状態のものも存在し、リソースの有効化や治安維持の観点から社会問題になっている。
これを解決する1つの鍵がAirbnbをはじめとする民泊であり、海外からの訪日旅行客が急増し、2020年の東京五輪に向けて国内の宿泊施設不足が目に見えている状況で問題の解決が急がれる状況であると言えるだろう。
共同研究におけるテーマは5つ
Airbnbと東京大学によるこの研究では、民泊が交流人口の増加や新産業開発の切り口として、都市再開発、空き家対策、地方創生、中心市街地活性化などを念頭に置いた上でどのような解決ができるかを模索するものである。
日本が抱える社会課題を解決する糸口を見つけることを目的として、研究テーマは5つ。
- 民泊の定義の明確化
- 民泊を活用した都市再開発・空き家対策・地方創生・中心市街地活性化手法の検討
- 民泊の地域への効果的な導入において必要となるサービス・技術開発
- メガイベントや災害など非日常時における民泊の効果的な活用方法
- 上記の取り組みが進んだと仮定した場合の2020年における経済波及効果予測
目指すのは東京五輪その先か
Airbnbと共同研究を行う東京大学城所哲夫研究室の城所准教授は、地方都市のイノベーションを専門とし、さまざまな地方都市と連携した研究活動を行っている。Airbnbという新たなサービス、概念を基軸にしてこの問題を解決する方向へと動くのだろう。
2020年という1つの期日が迫っている中、3年という残り少ない時間でどれだけが進むかという点では疑問が残る。仮に1つの結論が出たとしても実施をして問題を解決することができるかは疑問である。
そういった意味で考えると東京オリンピックまでにというよりは、継続的な視点を持った中で、持続可能な解決策を示していくのがこの研究の狙いではないだろうか。日本では人口が今後も減少していく中、いかに今あるリソースを有効活用することができるか、そういった部分に注目が集まる。