この記事では本社ビルの売却を伝えたシャープだが、
再建への舵をとった模様。
シャープの再建計画がおおよそ決まる
シャープは16日、策定中の再建計画について主力取引行のみずほ銀行、三菱東京UFJ銀行と大筋合意した。国内外での計約5000人の人員削減などのリストラ策を踏まえて、主力2行が2000億円規模の資本支援を実施する。関係筋が明らかにした。
シャープの高橋興三社長と2行の担当役員が同日に会い、主力2行は2000億円規模の債務の株式化(DES)を実施し、シャープの資本増強を図ることで大筋合意した。
シャープは5月に新中期経営計画を策定する。国内で約3000人の早期退職を実施するほか、海外では事業縮小により2000人規模の人員削減に踏み切る。海外の事業縮小では、北米のテレビ事業などを対象にする。
また、大阪市内の本社ビルのほか、国内工場の統廃合も盛り込む。国内工場の閉鎖はテレビを生産する矢板工場(栃木県矢板市)を検討する。
事業の収益管理を徹底する狙いから、社内分社のカンパニー制を導入する。巨額の設備投資資金が必要な液晶事業で、分社化や他社との提携をしやすくする。将来的には、産業革新機構の出資も含めて検討する意向で、主力取引行や経済産業省に相談を持ちかけた。
2015年3月期の連結最終損失は、太陽電池事業をはじめ生産設備の減損処理が響き、計画の300億円から大幅に膨らむ見通し。14年12月末の自己資本は2380億円(自己資本比率10.8%)。最終赤字の計上で、自己資本は一段とき損する見込みで、銀行の支援で資本を増強する。
このほかシャープは、企業再生ファンドのジャパン・インダストリアル・ソリューションズ(JIS、東京都千代田区)に250億円規模の出資を要請している。
出典 http://jp.reuters.com/
大きな目玉は国内の工場の統廃合だろうか
コスト削減がメインであり、リストラクションという表現がしっくりくる。
シャープ再建計画のまとめ
- 2000円規模の債務の株式化
- 国内工場の統廃合
- 国内で3000人、海外で2000人の人員削減
- 北米のテレビ事業などの海外事業の縮小
などのコスト削減およびキャッシュフローの安定化がメイン。
というよりも現状は、それがほとんど。
大企業の罠
大企業にありがちな、
自らの身を大きくしすぎて自分でも支えることができなくなったような状態に思える。
人員削減に、海外事業の縮小
コストを削る面ではこれでもかというほどに再建に踏み切った。
しかし、液晶パネルの主力業務に関する内容は一切聞こえてこない。事業方針を変更して市場を大きくするなどの展開は見えてこないのが現状だ。
シャープはすでに液晶パネルを作ることしか脳のない企業になってしまっているのではないだろうか。
大企業にはありがちなパターンで、
パネルを作るだけで(こういうと失礼だが)、どんどん規模を拡大できた。
その過去にとらわれて進化を止めた結果として、このレベルまでいってもリストラや経営縮小くらいしか対応できない。
液晶パネルを作ることにかけて非常に優秀な技術者がいても、それをまとめる経営陣は無能。
日本の技術力が低下しているのではなく、日本の技術力を生かす経営陣が足りていない。
銀行が融資してくれるから何とかなるという誤った余裕が見え隠れするのではないだろうか。
最近、ベンチャーのニュースばかりを見ていたので、
そのスピード感を当たり前に感じていたが(起業したばかりのベンチャーがゆっくりしてたら何もできないのだから当然だ。)、
それができないのが大企業なのだから仕方ない。
もちろん人が増えれば増えるほどにスピード感を出すのは難しい。
シャープは液晶パネルなど一部の専門分野を残して、必要最低限の規模に落ち着くのではないだろうか。
その方が市場にとっても望ましいことであるように思える。
個人的には、
シャオミのようにハードの作れるベンチャーが起業されると、
かつての技術大国ニッポンが見れるのではないだろうか。