行政が絡むと企業は衰退することをUSJの上場が証明する


政治や行政は無意味なしがらみがあり、民間企業より無能だと言う。
民間がリスクや利益を出す必要性を負っていることからすると不自然な話ではないが、今回それが証明される形となったのではないだろうか。

USJが上場を計画

大型テーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)を運営するユー・エス・ジェイ(大阪市)が早ければ9月の東京証券取引所への再上場を計画していることが27日明らかになった。時価総額は50億ドル(約6150億円)になる見込み。

出典 http://www.nikkei.com/

ハリーポッターのアトラクションでヒットを飛ばしたUSJが上場をする模様。時価総額は6150億円となり、上場による資金によって沖縄へとテーマパークを建設するのではないだろうか、と予測されている。

大阪市が離れたことで好調のUSJ

かつて、USJの株主は大阪市であった。株式会社ユー・エス・ジェイは大阪市が株式の25%を保有する第3セクターとして開業した。その社長はなんと4代にわたって大阪市のOBが務めた。
しかしながら、そんな体制のUSJは経営を悪化させ、2008年には米ユニバーサル社からグレン・ガンベル氏が5代目にしてようやく民間人出身として社長に就任した。そこから氏が株式を売却する中でUSJは経営状況を好調させていった

晴れて民間の企業となったUSJはその後様々なアトラクションを率先して進めるなど、市にはできない動きの早さでどんどんと利益を作り上げた。
今回のハリーポッターにはUSJの年間の売り上げ800億円に対して450億円もの資金を投入して2014年の来場者数は前年比220万人増で1270万人となった。年間の売り上げの半分以上の資金を投入するという策をはたして大阪市の人間にはできただろうか?

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出典 http://matome.naver.jp/

行政に経営はできない?

非常に皮肉なことに、USJの場合は、経営悪化により市が手放したことをきっかけとして今のような経営が実現した。当然ながら大阪市が舵をとっている状況ではこのようなこともなかったし、USJにハリーポッターが訪れることもなかったのではないだろうか。

行政の人間に経営はムリがあると言っていいだろう。大阪市から天下った人間にテーマパークの経営をする能力があるのだろうか?
そもそも経営を専門としている人間を抜擢しない理由がないし、彼らには明らかに経営に対する情熱はない。天下りポストでしかないわけである。

経営ができるのは起業家精神を持った者だけだ

市からの天下りがなくなったUSJに社長として就任したのはゴールドマンサックスから就任したグレン・ガンベル氏であるが、彼らは置かれている環境が違う。ゴールドマンサックスと言えば、世界で最も有名な投資銀行であり、結果を出せなければすぐにクビになる。行政しかり日本で言えばシャープしかりちんたらとやっていても何の責任も生じない人間とはハングリー精神が違う。そうした人材がトップに就任したUSJがV字回復したのは当たり前のことではないだろうか。

そういった起業家精神を持ったものでなければ経営者は務まらないだろう。もちろんグレン・ガンベル氏は創業者でもなくストックオプションも存在しないからUSJ自体の価値が上がっても株主としての恩恵を受けることはできない。ただし、ゴールドマンサックスではそれこそ年収2億円などという桁外れの数字もありうる。それだけ結果を出せば恩恵を受けられるし、ダメならクビになるのである。人の上に立つ優秀な人間こそそうした姿勢を求めたい。