amazonが動画サービスを開始


勢いが止まらないamazonのさらなるサービスは動画である。
『プライム・ビデオ』がもたらす可能性はどこにあるのか。

amazonが『プライム・ビデオ』をリリース

amazonは9月から日本でプライム会員(年会費3900円で割引や即日配達などのサービスが受けられる)向けに『プライム・ビデオ』なる動画サービスを開始する。実はアメリカでは2011年2月に開始しており、日本には遅れてやってくる形となる。

現在アメリカでは2万本近いビデオがあり、amazonのオリジナルコンテンツを含め様々な動画がプライム会員であれば見放題となる。動画をパソコンやタブレット、スマートフォン端末からストリーミング再生できるという。

プライム会員の増加が目的か

amazonが動画サービスというと、『あれ、通販とあまり関係ない…』と思うことだろう。実際に通販事業とはあまりシナジーはない。その狙いはプライム会員を増やすことにあるという。
7月15日にはプライム会員のみを対象に様々な商品がタイムセールで通常の最大80%オフになるという『プライム・デー』が行われていたが、これもプライム会員を増やす仕組みだ。
実は、アメリカでは2014年6月、音楽聴き放題サービスをリリースしておりこれも同じ目的を持っている。

プライム会員になるのにはの日本ではおよそ4000円の年会費、アメリカでは1万円の年会費が必要になる。そのため、普段そこまで買物を利用しない層からしたらあまりいい投資とは言えない。しかし、この『プライム・ビデオ』でその買物はそんなにしないものの動画を見たい層含めて獲得する狙いがあるだろう。一度プライム会員になればときおり行うタイムセールなどから購買意欲をかきたてることもできる。
amazonの強みはamazonという非常に大きなプラットホームを利用して、動画から買物へ、買物から動画へとユーザーを活性化させることが可能な点にある。例えば、テレビについては映像作品からグッズで収益を上げているわけであるが(『ネットフリックスはテレビを潰すのか』参照)、amazon内で見た動画コンテンツのグッズをamazonで購入するなどの効果も考えられる。

Netflixは戦々恐々?

このサービスで考えられるのは、Netflixとのバッティングである。サービスの料金もネットフリックスの利用料はamazonのプライム会員の料金と非常に近い。コンテンツの数についてはいまだNetflixに分があるわけではあるが、amazonはすでに会員数を多く持つことになる。そういった点では非常にコンテンツに対して資金力をかける余裕があるし、上で述べたようにグッズ収益などの副産物も見込める。

Netflixからしたらいい迷惑ではあるが、動画もamazonで見るのが一般的、という風になるのかもしれない。”amazonで全てのものを買えるようになる”どころか映像も音楽も全て手に入るという時代が来るかもしれない。amazonの可能性に今後も注目である。