フォルクスワーゲンの不正で広がる余波


新車販売台数世界1位に輝いてからすぐの不正発覚。
フォルクスワーゲンの不正による余波は非常に大きそうだ。

フォルクスワーゲンの不正が発覚

 ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が排ガス基準をクリアするために不正を行っていた疑いがあると、米環境保護局(EPA)が18日発表した。23日にはマルティン・ヴィンターコーン社長が辞意を表明するなど、波紋が広がっている。

出典 http://www.nikkeibp.co.jp/

今年の上半期でトヨタを抜いて初めて新車販売台数世界1位の座に座ったフォルクスワーゲンに不正が発覚した。疑惑はすでにほぼ確実のものとなり、すでにスイスではフォルクスワーゲンのディーゼル車が販売禁止になるなどフォルクスワーゲンは厳しい状況に立たされている。違約金の額は日本円にして2.1兆円に上り、大打撃は間違いない状況だ。

不正発覚のきっかけ

フォルクスワーゲンのディーゼル車の不正が発覚するきっかけとなったのは、世界各地で活動する「国際クリーン交通委員会」という環境関連のNPOの委託を受けアメリカのウエストバージニア大学が行った調査でした。

出典 http://www3.nhk.or.jp/

排気ガスに関する不正なソフトが搭載されている車種に対して検査を行ったところ、数値があまりにかけ離れていることから今回の不正が発覚した模様である。
結果としてフォルクスワーゲンのディーゼル車からは基準の数倍から30倍もの窒素酸化物の検出がなされた。車の耐久性と燃費を向上させる狙いがあったとされているが、目的のうちに排ガス規制を不正にクリアすることがあったことは間違いない。

フォルクスワーゲンの株価は20%下落

今回の騒動を受けて、フォルクスワーゲンの株価はおおよそ20%の下落を見せた。CEOが辞任するなどフォルクスワーゲン内部の亀裂も計り知れないものがあるが、被害を受けたのはフォルクスワーゲンだけではない。
フォルクスワーゲンと過去に事業提携をしており、フォルクスワーゲンの株式を1%を保有していた自動車メーカースズキは、700億円の損出を計上した。結果としてフォルクスワーゲン株を騒動の後にポルシェに売却、購入時から比べると367億円の売却益となったものの大きな損出を受け入れることとなった。

中国株の下落によって損出を被った投資家の数は数知れない。フォルクスワーゲン株にも同様にそれよりは少ないながらも損出を被った投資家がいる。何より、実体経済への影響も非常に大きい。フォルクスワーゲンが今後どういった罰を受けるかは分からないが、自動車産業には非常に多くの企業が関わっている。中でもその下請け企業はその受注が消滅することもあるかもしれない。まだまだその余波は大きそうだ。