株価を大きく下げ今後が危ぶまれるグノシー。
そんなグノシーの低迷を物語る1つの数字がある。
グノシー株大暴落
今年4月に上場したグノシーの株価が暴落し、時価総額は一時期の半分を切り、200億円を下回ったことについてはこの記事の通りある。MAU(月間アクティブユーザー)の伸び悩みを市場は悲観。上場時の時価総額から比べても70%を切る水準になった。
他のニュースアプリの台頭など様々な要因があるが、グノシーの展望は暗いと言わざるを得ない。
グノシーの低迷を表すデータ
よくつかうニュースアプリ(1万人調査)。グノシーとヤフーが昨年比マイナス。
Yahoo 63%↓(-7%
スマニュー 20%↑
日経電子 20%↑
LINE NEWS 13%↑
グノシー 8%↓(-1%
日経MJ10/21 pic.twitter.com/0NObo1a8Ui
— アプリマーケティング研究所 (@appmarkelabo) 2015, 10月 21
ツイッター上に上がった1つのデータであるが、これを見ると、グノシー自体のサービスとしての人気が下がっていることが分かる。非常に気になるのはスマートニュースとの差である。スマートニュースはおおよそグノシーと同じ2012年にサービスを開始し、ともにニュースアプリの黎明期から存在するニュースアプリである。サービスのUIやターゲットも似ており比較されることが多かったこの2つのサービスであるが、現在20.3%のユーザーが利用するスマートニュースに対してグノシーは8.9%と大きく劣っていることを示している。
実らなかったグノシーのCM戦略
1つ気になるのはこの2つのニュースアプリの利用率を示す数字にさらにグノシーは積極的にCMを放送しているという事実である。それに対してCMのないスマートニュースが2倍以上利用者数が多いという結果になっている。
これは、グノシーの行ったCM戦略がダウンロード数は増やすものの、結果としてユーザーの定着にはつながらなかったことを示している。
思い起こされるのは、この755の失敗だ。サイバーエージェント藤田社長が『CMによって獲得したユーザーが定着しなかった』と語るようにCMによって一時的にダウンロードが伸び、ユーザーが増えるもののその後ほとんどがアクティブユーザーにならなかった。このときの755とグノシーのCM戦略というのは非常に似通っているのではないだろうか。グノシーもまさしくユーザーが定着しなかったのであろう。
そもそも、CMによってきっかけができダウンロードをしたユーザーはロイヤリティが低い。なんとなく流行っているのかなもしかしたら面白そうだというモチベーションであるのだから当然の話である。
現在は低迷するも、このままでは終われないグノシーはどんな戦略に出るのだろうか。