優先順位がつけられない人間に起業は向いていない


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起業というものは組織の中の一員として働くのとは少し勝手が違います。
そこで大事になってくるのが優先順位をしっかり付けるということ。これができないのならば人に指示を出されて仕事を行う会社員になるべきでしょう。

起業とは捨てることである

私は、起業をした際に難しいことの1つとして、そして非常に重要なことの1つとして”捨てること”があると考えています。例えば、1つの事業を行おうとするとしなければならないことというのは非常に多岐に渡ります。おそらくそれを1人の人間が1日14時間働いたとしてもやりきることはできないでしょう。ともなれば何かしらについて誰かに頼んだり外注したりということを行うのは決してプラスにはならないでしょう。最も大事なことから自分でやっていく必要があるわけです。

様々な経営者が言う言葉なのですが、『すべきことを全て並べて1位から順位をつけていく、そのうち1位から3位までを優先してやる。それ以外の4位以下についてはやらない。あなたがやる必要は一切ない。』ということが経営者の働き方だそうです。まさにその通りで優先順位をつけて3位までは大事ですが、それ以降というのはやる必要がありません。それがもし3位以内に入ってくるなどの変動があればやればいいだけです。日本人というのはどれだけの数をやったか、様々なことをやったかを重視する傾向にありますがそんなことは必要ありません。やらなくていいことを捨てることが起業には大事です。

起業の優先順位を考えよう。

それでは、起業の際の優先順位というものを一度考えてみましょう。

1位 売り上げを立てる(もしくは出資融資を受ける)

まず、当然ながら収益が立たない限り会社は回りません。会社が潰れるのはキャッシュがなくなるときですから、仮に赤字でも融資を受けられるのなら問題ありません。そうでないのならば売り上げを立ててキャッシュを貯めておかないと話になりません。
金銭的に余裕がある(売り上げがなくても1年以上もつ)のであればこの優先順位は下がります。

2位 会社の体制を整える

次に、誰が何をするか仕事はどういった風にするのかというようにできるだけ普段の仕事がその場のいきあたりばったりにならないようにルールを基本的に決めておきましょう。各々の役割分担も同じです。これが整っていないとミスが連発になります。売り上げが出始めたらここをしっかりと構成して組織として動きやすくすることが必要です。
ここもできていてしっかりと会社が安心して回る状態ならば優先順位は下がります。

3位 将来に対する投資を行う

安定した状況になったら次は将来を見据えてどんどんと投資を行いましょう。今の事業だけで会社が回ることは絶対ではりません。仮に今の事業の調子が悪くなってもいいように、そして今の事業でできるだけキャッシュを貯めれるようにさらなる利益を狙っていきます。基本的には会社は利益を上げる→将来に対する投資をするの繰り返しです。
これはどこまでやってもやりすぎることはないでしょう。

4位 新たな可能性を探る

今思いつくことのみが全てではありません。当然さらなるエクノロジーや業界など、新しい人脈など可能性はいくらでも存在します。他にいいものはないかと探すのも経営者の仕事です。しかしながら、これが3位の将来に対する投資よりも先にいってしまい、自社の不得意なジャンルばかりに投資を行うと全てがなあなあになり失敗するケースは多いです。あくまで将来への投資がうまくいっている状況で目を向けるようにしましょう。

5位 勉強をする

ここで初めて経営の知識などの勉強を行います。その他の業界に関する勉強などもそうです。例えば英語の勉強をするなどもこれにあたります。勉強というのは基本的に必要なときにすべきこと、さらには経営者はあらゆるプロフェッショナルを束ねる仕事がありますから専門知識が必要かというとそうでもありませn。
当然、優先順位はこの位置にあたります。

勉強をすればするほど起業から遠のく

上記の優先順位を見れば分かるように、起業する上で勉強することの優先順位は低いです。当然、確定申告の際にはその勉強をある程度しなければいけないでしょう。ただ、それは確定申告をするという義務、つまり必要性に対して行動を起こすための勉強です。先だって確定申告の勉強をする必要などありません。

起業するために勉強をする人がいますが、これは決して悪いことではありません。悪いことではありませんが、それより先にキャッシュを残すというすべきことがあるのです。起業したいなら最も大事な売り上げを上げるための能力をつけるのが最優先です。どれだけ勉強しようが売り上げが立たないのでは意味がありません。経営学は経営を改善させるためのものであり、もしもあなたが100人ほどの社員を抱える企業の社長にならない限りは意味がありません。ということは、優先順位としては後回しになることが分かるでしょう。

日本人は特に優先すべき大事な順番からでなく、とっつきやすい方からやってしまう傾向にあります。勉強するのは気軽にできますからそこに走るのも分からなくはありません。しかし、指示をされて動く会社員とは違って経営者は自分でやることを決めなくてはいけませんから、優先順位を常に意識しなくてはいけません。

起業スクールに行っても起業の役には立たない

巷では起業スクールというものがあるようです。その中から起業した人間もいるらしく、私は風の噂程度でその会社を目にしたのですが、正直びっくりするほどレベルの低い企業でした。企業のコーポレートサイトはなくFacebookページのみで、事業内容はまだ決まっていない。これはなんのために起業したのでしょうか?代表取締役という肩書が欲しくて起業しただけなのかなという風にしか思えませんでした。私はその方に会ったこともありませんし、全てが正しいとは言えませんが、事業内容が存在しないのならばなんのために起業したのでしょうか。それを決めるため、それで利益を出すために起業スクールに通うのではないでしょうか。

起業スクールで売り上げを上げるための勉強をするのならばそれは非常に有意義でしょう。実際、ラーメン屋などの飲食店を開くためのスクールというものが存在し、そこではラーメンの作り方や値段設定などのマーケティングなど特定のジャンルに関する第一歩を学ぶことができます。それなら飲食店で下積みをするよりも効率がいいはずです。
ただ、基本的に起業スクールでは座学を勉強することが多いようです。それならば優先順位は低いはずです。むしろそれをするのはある程度会社を安定させている経営者がすべきです。座学を学んでも結局最初の売り上げを立てるところで行き詰ってしまいます。

その結果が起業スクールで学んだにも関わらず事業内容が決まらないという状態でしょう。法人の登記だけできてもそれは意味がありません。どんな事業なら売り上げを立てやすいか、そしていかに顧客を獲得し売り上げを立てるか、その方法を身に付けるといったことがなされるべきです。それが果たされていないから会社だけ作って何も起こらないというガキの悪ふざけみたいな卒業生が出てくるわけです。

起業は実践するスポーツである

おそらく多くの人は”起業”という言葉に縛られているように感じます。起業とは起業というジャンルではありません。経済活動を行う中で自ら会社を作るという手段でしかないわけです。起業をするという目的などありえなくて、『お金を稼ぐために起業する』『こんなサービスを作るために起業する』『世の中の人にこんな経験をしてもらうために起業する』といった目的があった上での起業であるべきなのです。
その中の1つとして多いパターンは利益を上げるために、お金を稼ぐために起業をするというものです。どちらにせよ一生赤字で会社を経営したい人はいないでしょうから、少なくとも売り上げを上げる必要があります。そうしたら売り上げを上げる方法を学ぶ必要があります。

そうなったときに、世の中の他の会社はどうやって売り上げを上げているのかな勉強してみたい、実際に体験したいという風にインターンで働くとかどこかの学生ベンチャーに参加するとかするのが自然な話でしょう。実際にそれができている人の元でビシバシと指導されながら最初は部下として働くのです。
もしくは、エンジェル投資家に出資してもらって多くの株式を渡す代わりに助言を常に仰げるようにすればいいでしょう。

そう、売り上げを自分の力で立てたことがない人に起業は望ましいものではないでしょう。会社という後ろ盾がない状態で売り上げを立てる必要があるのだから、それがもっと簡単な後ろ盾のない状態でできないということは基本的にムリがあります。まずやり方を学べる状態で後ろ盾ありで(当然もらえるお金は少なくなりますが)やっても悪くはないでしょう。

起業スクールという発想が間違っている

起業家を”育成”するって考えがおかしくない?

この記事でも書かせて頂いたように、起業とは育成するものでもないし、人に教えられた方法を実践するというのならそれは起業である必要はありません。会社の中でやった方がいいに決まっています。一流企業の社内起業がビックリすることから見てもそれは明らかです。もちろん、起業家に知識を授けることや指導、助言をすることはできるでしょうが、起業家というのはあくまで自分が考え動かなくては会社員でなく起業家である意味がありません。

何も勉強しないで1人で起業というのはたしかに難しいことであるように思えます。ただ、それが=座学を勉強する、新卒で就職するというのは何か優先順位を間違えているのです。
ビジネスやその本質自体はアルバイトでも週3日働く社員でも学ぶことはできます。何もわざわざ新卒になるまで待つ必要はないのです。そして会社は新卒社員に40年働いてもらう前提で指導をしますからそこにもギャップが生まれます。

そういったことを頭に入れた際に、起業スクールという選択肢が来るのは非常に優先順位が間違っているでしょう。自分で考え仕事をして素質を養っていかないと意味がありません。スクールで起こっていることはおままごとです。本気の実際のビジネスでなくては意味がありません。もしも起業をなんとなく勉強してみたいなくらいならとっつきやすいそうしたジャンルでもいいかもしれません。ただ、目的がそうでないのならばもっとビジネスの現場に立って最優先の『売り上げを立てる能力』をつける必要があります。