サイバーエージェントが大企業の広告主へインターネット広告サービスをリリースした。
テレビCMではリーチできない層へと広告を配信する『LowTV Forcus』はテレビCMを上回るか。
いまだテレビに差を開けられるweb広告
web広告が生まれてからすでに20年が経過した。当時はバナー上に月極などで配信する(つまり、現在のアドネットワークのように広告の内容が変動しない)純広告にメルマガ上などにテキストを配置するメール広告が主流であり、今のような人を売る(どの相手に対して広告を配信する)形ではなく、枠を売る(どの人に対して広告を配信する)形が主であった。web広告ではユーザーの属性を把握し、1秒もかからない瞬時に最適な広告を配信することが可能となった。
とはいえ、市場規模においてweb広告はテレビ広告を上回るどころかまだまだその差はそう縮んでいない。2015年にはテレビの15191億円に対してインターネットは5615億円という数字はいまだ大きな差である。ユーザー、特に10代20代についてはテレビよりもインターネットの視聴時間が大いにも関わらずこの数字の差がある。インターネットにはよりテレビを上回るための施策が必要だ。
『LowTV Focus』をリリース
サイバーエージェントが運営する動画広告に特化した調査機関「オンラインビデオ総研」は2月25日、テレビCMに接触しない層に対して優先的にウェブ動画広告を配信するサービス「LowTV Focus(ローテレフォーカス)」の提供を開始した。
出典 http://japan.cnet.com/marketers/news/35078390/
今や4大マスメディア(テレビ、雑誌、新聞、ラジオ)のみが広告主のターゲットではない。最大のメディアであるテレビのCMでは訴求できない層、つまりテレビを見ていない人々にどうやって認知してもらうかという研究が進んでいる。それをけん引するサイバーエージェントの『オンラインビデオ総研』がウェブ広告動画の配信サービス『LowTV Forcus』をリリースした。
研究では、テレビCMに接触しない層のライフスタイルおよびメディア行動について調査を行い、web上の行動データからセグメントに合致するユーザーリストを弾き出し、テレビCMではリーチできない層に対して積極的に広告を配信することができるようになっている。
ターゲットとなるのは大口広告主
この『LowTV Forcus』のターゲットとなるのは大口の広告主だろう。web広告の市場はテレビなどと違って数兆という規模を超える枠の配信を行うため、小口の、つまり予算がそれほどない広告主が利用しやすい。当然、テレビにCMを出すよりもアドネットでバナーや検索結果に広告を出す方がずっと安い単価からもできる。それに対して例えば日本で言えば自動車メーカー、ケータイキャリアなどの大口のCMの顧客はインターネット広告へと参加することはほとんどなかった。その最大の理由はインターネット広告でのリーチはテレビほど大きくはないからだ。細々とユーザーへとリーチするのは割に合わないということである。
そういった大口顧客への提案を持ったのがこの『LowTV Forcus』である。テレビCMを見ない層を狙い撃ちするとあれば大口の顧客の重い腰を上げることができるかもしれない。そんな期待があることだろう。