米Stripe社が発表したサービスはあらゆる可能性をもたらすだろう。
フォーム入力だけで会社の設立が可能であり、今後他の場面でもオンライン化は続くだろう。
『Stripe Atlas』でフォーム入力で会社設立
AIが様々な事務処理を担うと期待されてからすでに時間が経っている。とはいえ、ITの力によってさまざまな事務的業務の機械化はいまだに進んでいない。そんな中、アメリカでは法人の登記に関する画期的なサービスが誕生した。オンライン決済会社Stripeの『Stripe Atlas』である。
このサービスでは、フォームに必要事項を入力するだけで、米デラウェア州に会社を設立することができる。会社の設立のみならず銀行口座の開設、Stripeのオンライン決済の導入、税などの法務アドバイスも受けることができる。会社の設立に必要なパッケージが揃っている。
オンライン決済の第2の波Stripe
Stripeと言えばオンライン決済のスタートアップであり、ユニコーン企業(企業価値が10億ドルを超える未上場のスタートアップ)としても知られる。昨年日本でもサービスを開始し、Uberの競合として知られるLyftやFacebookにTwitterという世界的企業でも採用されている決済サービスである。
従来はインターネット上で決済を行う場合は代行業者によってVISAやマスターカード、AMEXにJCBなどの決済を可能にする必要があった。その代行業者の利用には1週間以上の審査が必要で、サイトの仕組みによっては決済の設置が困難であったり、初期費用が必要であるなど決して使い勝手のいいものではなかった。その欠点を補うのがPaypalという電子決済サービスであったが(Paypalアカウント上で決済が完結する)、このPaypalが第1の波とすれば(『これでマーケットが分かる!セカンドウェイブ・サードウェイブとは』参照)、Stripeは第2の波である。
このStripeの優れている点は、サイト内にコードを数行記述することによってページをまたぐことなしに(Paypalの場合はページが飛ぶ)同一画面内で決済が可能である点であり、通貨変換も容易な点で評価が高い。ちなみに「Squareは店舗での決済をタブレットなどのイヤホンジャックに端末を差し込むことによってカードリーダーの役割を果たし、可能にしている。
あらゆる処理がオンラインで可能に
現在オンライン上のあらゆる処理は簡素化している。StripeやPaypalのように、オンライン上で簡単に決済ができるようになっている他、前述の『Stripe Atlas』では、フォーム入力によって会社の設立が可能になっている。freeeのように、会計処理をオンライン上で行うのはすでに当たり前のことになっている。役所は残念ながらオンラインに対応していないため、freeee上の会計情報を決まったフォーマットに出力するなど手間を要するものの、従来財務部門に割いていた多数の人件費をfreeeでは簡単にまかなえるようになった。
その他、様々な処理が非常に容易になることは予想できるだろう。決済自体は、手のひらをかざしてできるし、eラーニングのようにオンライン上で学習ができるようになる。学習状況はクラウド上で見渡せるし、重要な問題を効率的に学習することができる。投票もスマートフォン画面上からできるようになるだろう。
様々な分野は今後急速にオンライン化するに違いない。