Knock Knock買収のTinderは脱出会い系なるか


Tinderと言えば世界最大の出会い系アプリある。
近年、日本で言えばPairsをはじめとしてライトな感覚で楽しめるマッチングアプリが登場しているが、Knock Knock買収を発表したTinderは脱出会い系なるだろうか。

世界最大の出会い系アプリ『Tinder』

Tinderは世界で最も使われる出会い系アプリである。位置情報を使ったもので、自分の半径数キロ以内の異性の顔写真が表示され、好みであったらボタンを押すという仕組みである。お互いにボタンを押し合ったらマッチングし、メッセージでやりとりができるというものである。

今までの出会い系とは違い、非常にライトな感じで、自分の周りにいる人に声をかけるような感覚で利用できるのが特徴だ。現在は世界26ヶ国で利用されている。

tinder
出典 http://canofgoodgoodies.com/

出会い系から脱却しようとしているTinder

出会い系アプリというとなんとなく下に見てしまう者も少なくはないだろうが、Tinderは単なる出会い系アプリを越えようとしている。2016年3月29日、Tinderは新たな外部企業の買収を発表した。ロケーションベースのネットワーキングアプリである『Knock Knock』を開発したHumin社である。

ロケーションベースというTinderの特性を生かして、新たな領域に進もうとしている。『Knock Knock』は自分のスマホをコンコンと二回ノックするだけで、初対面の相手とチャットや連絡先交換ができるアプリ。従来の似たようなアプリには今ではサービスを終了したお互いのスマホをぶつけて写真や連絡先を交換するBump があったが、『Knock Knock』は初対面の相手に連絡先交換を申し出るハードルや、面と向かって断られる気まずさに配慮した設計になっているという。

その場では自分の名前だけを残してノックに対して反応するかは後から相手が選ぶことができたり、交換する情報を20種から相手ごとに設定できたり、アプリ内でチャットだけもできるなど、毎日多数の初対面の相手と会う学生などを想定して作られているという。

Tinderの目指す今後

Tinderは今後、特定の国の文化に合わせたローカライズを行っていく。Tinderはこれまで世界中で同一のサービスを提供してきた。しかし、各地のマーケットにフィットするようにカスタマイズする必要性を感じ、その国の人々の感覚に合った出会いや繋がりを取り入れようとしている。Tinderは現在、5000万人のユーザーを抱え、1日に12億件のプロフィールが閲覧されている。

『今後、リアルな世界で人々がつながるための何かをしたい』というビジョンを元に、Tinderはただの出会い系アプリから変貌を遂げるだろう。