TBSがC Channelに数億円規模の出資、協業も


ベンチャー企業とテレビ産業のシナジーに期待だ。
C ChannelがTBSから数億円規模の出資を受けた。今後テレビとスマホは密接に関係していくのだろうか。

C Channelが資金調達を実施

LINE元社長森川亮氏がLINEから独立して設立したことでも話題になったC Channel株式会社。
スマートフォンに特化した女性向け動画を配信しており、動画市場ではトップランナーである。サービス開始から1周年を迎えたばかりの同社は2016年4月28日、TBSテレビを引受先とした第三者割当増資を実施した。

金額は関係者によると数億円程度と見られており、TBSの持つコンテンツ制作力とC CHANNELの持つ媒体としてのリーチを生かす狙いがあるようだ。TBSの持つベンチャーキャピタルからの出資でなく、TBS本体からの出資であることからもその狙いが窺える。

まだまだ少ない動画事業者

C Channelは2015年4月から動画ファッション投稿サイトの『C CHANNEL』を開始しており、スマートフォンに最適化した縦型フォーマットの動画を配信してきた。近年、スマートフォンでのコンテンツを制作する事業者は増えているが、動画コンテンツを軸としているパブリッシャーはまだ少ない。動画コンテンツは制作費がかさむ傾向にあり、参入障壁は高いだろうか。

C CHANNELは分散型の形をとっており、FacebookやTwitter、Instagram、YouTube、中国ではTUDOUなどのプラットフォームに動画を配信している。2015年12月にオリジナルのハウツー動画の配信を強化したことをきっかけに再生回数を大幅に伸ばし、2016年3月には月間再生回数1億回を突破した。C CHANNELは動画ジャンルでは抜けた存在だろう。

今回の出資で様々な協業が期待

森川氏は『C Channelが持つスマートフォン向け映像コンテンツの企画制作力および特にF1女性にリーチする媒体力と、TBSの持つコンテンツ企画制作力や発進力とをうまく融合させることにより、国内および海外におけるオンライン動画事業の拡大を図る』と発言していることからも、C CHANNELのコンテンツの制作にTBSが何らかの形で関与してくることは間違いなさそうだ。

考えられるのは、芸能情報、番組情報、イベント情報などのテレビ番組が扱う分野をスマホ動画で配信していく可能性だろう。また通販番組と連動した商品情報なども紹介していく予定であり、スマホのフォーマットの中でテレビ的なコンテンツが広がる可能性は高い。2016年上期中にはTBSのの番組とC CHANNELのコラボレーションも検討しているという。

コンテンツの質がもろに反映される動画コンテンツだからこそC CHANNELの優位はこの市場において揺るがないだろう。