LINEが資金決済法違反に


なんとLINEに関東財務局の立ち入り検査が入った。
その結果、ゲーム内アイテムが資金決済法違反にあたるとの判断が下された。はたして影響は。

LINEが資金決済法違反

LINE内のゲームで使うのアイテムが資金決済法で規制されるゲーム上の『通貨』に当たると、同社を立ち入り検査していた関東財務局が認定したことが分かった。通貨の場合、未使用残高が1000万円を超えれば半額を発行保証金として法務局などに供託する義務があるが、これまで同社は供託せず、財務局は同法違反に当たると指摘した。その供託不足額は3月末時点で約125億円に上るという。

LINEは『検査結果などの開示は当局の要請によりできません。なお、従前の通り、当局からの指摘に誠実に対応します』とコメントした。すでに供託などを進める方針を財務局に伝えたという。

ゲーム内アイテムが通貨として認定

財務局が通貨にあたると認定したのは、パズルゲーム『LINE POP(ラインポップ』で使われるアイテム『宝箱の鍵』と、『LINE PLAY(ラインプレイ)』内のミニゲームで使われるアイテム『クローバー』の2つである。このうち宝箱の鍵は1本当たり約110円相当で、宝箱を開けるなどの用途以外に、使用数に応じてゲームを進めたり、使えるキャラクターを増やしたりできる仕様となっている。

例えば、電子マネーは通貨にあたると認定されている。そのデータを用いて商品が買えるのだから通貨と同じ扱いをされる。他では、ポイントなども通貨として扱われる。代金を前払いし、後でサービスを受け取ったりするものを通過として認定するようになっている。
資金決済法では、利用者が代金を前払いし商品やサービスの決済に使うものを『前払式支払手段』と規定しており、その方式をとる会社は倒産などに備えて保証金を供託し、利用者がサービスを受け取れないようにならないよう備える義務がある。

ITに未だ追いつかない法整備

LINEでは、宝箱の鍵に関しては2015年5月、社内で通貨と指摘されたのに対して用途制限など仕様を変え通貨に該当しないという説明が可能と判断を行い、財務局に届け出なかった。財務局は今年1月から立ち入り検査し、その結果、2アイテムを前払式支払手段(通貨)と認定、供託や届け出を怠った資金決済法違反に当たると判断した。

そもそも、この前払式支払手段というのは、電子マネーなどの通貨を用いて商品などの対価を購入する際に企業が役務の提供を滞りなく行えるように設定された仕組みだ。電子マネーやポイントについては、それを扱う企業が事前に資金を預かり商品が売れた段階で小売店に対して手数料の4~5%を差し引いた代金を支払う。この支払いができなくならないように、利用者が通貨を使えなくならないようにしている。

ただ、これがLINEをはじめとしたソーシャルゲームに当てはまるかというとそれは疑問である。仮にLINE内のアイテムを使うためにお金を支払い、アイテムを使わないままにしていたとする。これに対して半額の供託金ははたして必要なのだろうか。ゲーム会社は資金がなくてもユーザーに対して役務の提供を行える。それは、ゲーム内のアイテムはいくらでも生成することができるからである。しかし、法律はそうした事業モデルに対して対応できていない。今後一刻も早い対応をする必要があるだろう。