検索のGoogleと競合する巨大IT企業たち


検索エンジンと言えばGoogleだ。
このジャンルで最大手であり、2位のYahooもGoogleのものを使用している。しかし、その検索エンジンで競合するのがamazonやFacebook、Appleなのである。

検索はGoogleだけのものではない

検索エンジンといえばGoogleだろう。YahooもGoogleのアルゴリズムを用いているし、他に検索エンジンはBingやBaiduなど極めて限られている。世の中のほとんどの検索をGoogleが占めているように思える。

ところが、Googleの競合はBingなどの検索エンジンではない。検索の向上に努めているのは今やAmazonやAppleそしてFacebookなのである。これらは検索とは遠い領域にあると思われている企業ではあるが、Googleと十分に争っている。

amazonの検索エンジン

実は、amazonは近年Googleから検索エンジンの技術者を引き抜いている。なぜAmazonはそこまでして検索エンジンのクオリティを上げようとしているのだろうか。

インターネット上でショッピングを行う際、ユーザーは34%がGoogleで検索を行うという。そしてそれに対して、44%は直接amazonの中で検索を行っている。実は、Googleで検索を行った結果出てきたamazonのページをクリックするのではなく、最初からamazonで買うことを決めており、amazon内で検索を行った方が理に適っているのである。

このように、ユーザーがすでに見たい情報が決まっている場合、Google以外のサイト内で検索を行っているのである。そのため、amazonはamazon内で検索を行うユーザーのために検索エンジンの技術を向上させている。

AppleがSiriに力を入れる理由

Appleもまた検索エンジンを有している。それは、Siriという音声認識ソフトだ。Siriに知りたい情報を話しかけると返してくれる。それはさしづめ人間らしさを搭載した検索エンジンのようである。もし、Siriが食べログと連携していたら、Siriに渋谷のイタリアンを教えてと聞くといくつか候補を挙げてくれるだろう。

このように、音声を認識してそれに対応することのできるソフトウェアは検索エンジンと同じようなふるまいをすることが予想される。

FacebookとGoogleは競合するのか

FacebookがGoogleからユーザーを奪うとしたらそれは検索エンジンの終焉なのかもしれない。近年、Facebookを通してページを読むユーザーは増えている。友達がシェアしたりいいねしたページがタイムライン上に現れて、Instant Articleという機能があることでクリックせずともそれを読むことができるようになっている。

近年、ユーザーはより自分の趣向にあった情報が流れてきている。それは、”検索せずとも”情報を手に入れることができるということだ。Facebookはタイムライン上に出てくるページと友達の投稿との割合を調整して、ユーザーがよりFacebookを楽しめるようにしている。
ユーザーがFacebookに時間を費やせば費やすほど検索エンジンの必要性が薄れてくる可能性は十分にある。

検索エンジンの未来

Googleがなくなることというのは考えられにくい。人は何か知りたい情報があったときに、検索をするというのがそれを得るための最速の手段であるし、精度も他のものと比べて高いだろう。

ただ、このような情報量の変化に伴ってGoogleを利用するまでもないケースは増えるのかもしれない。はたまたSiriのように音声で全てが済むほどに制度が上がるのかもしれない。
Googleは今大きな岐路に立たされていることだろう。