ディスラプター4社の創業者が語る独自の哲学


豪華な顔ぶれが独自の哲学を語った。
マネーフォワード主催のイベントに集まった創業者たちが語った急成長の理由とは。

ディスラプター4社急成長の理由

マネーフォワード主催のイベント『MFクラウド Expo 2016』では、ディスラプター4社のトップが集まった。働き方を変えたクラウドワークス吉田浩一郎氏、会議を変えたブイキューブ間下直晃氏、決済を変えたメタップス佐藤航陽氏、金融を変えたマネーフォワード辻庸介氏という非常に豪華な顔ぶれである。

この4者が事業を行う上で心がけていることや、急成長の理由を語った。

成長の秘訣は変わり続けること

ディスラプター4社のトップが急成長を成し遂げたその秘訣は、変わり続けることであるという。
世の中のニーズも技術も時代によって変わる。特にそれは近年顕著な物事である。その中でもともと持っている強みを生かしながら、それに合わせて企業もいかに変わり続けるかの重要性を間下氏が説いた。

また、急成長する会社および人と、そうでない会社および人の違いというのは、長期的な視点の有無にあると吉田氏は語る。クラウドワークスが労働者の権利を奪うと批判されている件については、ラッダイト運動を引き合いに、常に新しい技術を手にすれば人は後戻りできないし、変化していかなければいけないと語った。

メタップス佐藤氏の語る人を説得する極意

また、前例のない物事を行う上では社内のマネジメントが不可欠であるが、その極意は『あきらめさせる』ことにあるという。佐藤氏は、自分が止められても聞かない人間だと思わせてしまうのが早いのだという。その際に、自分が何をしたいかを明確化し、自分を理解することなのだという。

スティーブ・ジョブズやイーロン・マスクなど型破りなことを行う起業家はおおむねそれが当てはまる。誰が止めても聞かないくらいに自分の明確な意思を持っている。だからこそそのビジョンに人は心を動かされ、ついていくのだろう。

ディスラプターの持つ哲学

また、4者の語った情報やヒントの収集の仕方というのも非常に興味深い。
吉田氏は、『人のエゴを想像すると未来がわかる』という持論を展開した。ロボットは、決められた行動を最適化するが、人間はその物事に疑問を感じるという。つまり、ロボットが淡々とそれをこなす一方で、人間には『そもそもこれ必要なのかな?しなくて済むんじゃないかな』と考えるのだろう。クラウドワークスはそういう意味で言えば、会社に属して働くことの必要意義を再確認するようなサービスだ。

佐藤氏は、活動時間の80%を考えごとに費やしているといい、疑問が浮かんだらその道のプロフェッショナルを質問攻めにしてそれを解決するという。そのことで、80%ほどの情報が分かるようになるとのことだ。最近で言えば、金融工学が物理を応用していることを知り、そのことを突き詰めると結果的にビジネスに結びつくのだという。
たしかに、株価の挙動は幾何ブラウン運動に従うなど、物理上の概念が無関係なはずの金融工学に応用されている。ブラウン運動とは、溶媒中に浮遊する微粒子が不規則に運動する現象を指す。

このように、ディスラプターとなりえた4者にはそれぞれ独自の哲学があることが分かるだろう。