ジェフ・ベゾスが語る『人工知能の可能性』


amazonは実はAIに非常に力を入れている企業である。
CEOジェフ・ベゾスの語る人工知能の未来とははたして。

ジェフ・ベゾスが語ったAI黄金時代

amazonのCEOジェフ・ベゾスは、IT系メディアのリコード(Recode)主催のイベント『コード・カンファレンス』で、AIの非常に大きな潜在的可能性について語った。モデレーターからAI技術が今後どこに向かっていくのか、そしてそれは何を意味するのかと問われたジェフ・ベゾスは今が『AIの黄金時代に差しかかっている』可能性があるという大きな注目を集める発言を行ったのである。

amazonでは、AIの開発に1000人の技術者があたっているとされている。Googleなどと違い、あまりそういったイメージのないamazonであるが、実はその内情は極めてテクノロジーについて歩みを進めており、その一例がamazonの提供する人工知能スピーカー『Echo』である。

AIを搭載したEchoの真価

Echoは、ユーザーが話しかけた内容に対して音声で答えを返してくれる。Siriのようなバーチャルアシスタントの一種で、家庭内の器具と連動しているため、照明を消したりなどの役務をこなしてくれる。もちろん、amazonで注文もしてくれる。Echoの機能が、音声認識と家庭内の操作のみに帰結するならばそれはよほど大きな存在ではない。ここに、AIが搭載されたことでEchoは劇的に進化するのである。

ジェフ・ベゾスはAIについて3つの技術基盤によって成り立っていると語った。アルゴリズム、演算能力、訓練データの3つだ。そして、amazonは極めて膨大な訓練データを持つ。コマースの点において世界中を見渡してもamazonを上回る訓練データを持つものはいない。

amazonの持つAI上の圧倒的強み

訓練データとは何だろうか、それはAIが解を導き出すために必要な膨大な過去のデータだ。AIは全て過去のデータから未来を予測する。AlphaGoは、膨大な数コンピュータとコンピュータで囲碁の対戦を行ったデータを基に世界チャンピオンにも勝つことのできる存在になった。そして、Amazonは、膨大な顧客がどんな商品を買うかという訓練データを基に、次は何を買うかもしれないという予測を導き出す。amazonは、『コンテキスト・アウェアネス』という能力を用いたサービスの準備を行っている。これは、消費者が気付く前に必要とすうであろう商品を予測することだ。

Echoはその訓練データを集める存在になるのかもしれない。家庭内に置かれたスピーカーはその消費者の家庭内の状況を認識することができる。食材の減り具合を管理することもできるかもしれないし、些細な変化から消費者の健康状態も読み取れるかもしれない。
そして、それだけのことができるのはamazonのみかもしれない。