Snapchatの目指すソーシャルARプラットフォーム


SnapchatがARというと違和感があるかもしれない。
しかし、今や彼らは世界最大のARプレイヤーになりつつある。

VRにARその行方は

最近になってようやく実用的な部分でVRやARという言葉を聞くことが増えてきている。サカチャンではVRを通してサッカー選手のプレイを体験することができ、Magic LeapはVRとARを組み合わせ我々に近代的な未来の生活を見せてくれた。

OculusやHTC、ソニーなどのヘッドセットの主要メーカーはVRを体験できるツールを第一世代として提供しており、実際に我々が楽しむこともできるようになっているのである。もはや我々の手元にVRは届いていると言っていい。あとはそれをいかにして進化させて生活の中に普及させるかという段階に入っているだろう。

Snapchatという隠れたARプレイヤー

そんなVR、ARには意外なプレイヤーがいる。それがSnapchatだ。意外に思われるかもしれないがSnapchatはARと非常に相性のいいサービス媒体である。
そもそも、Snapchatがここまで流行る理由となった顔に動物のマスクをかけたりする機能はARに近い概念であると言える。さらに、このレンズの機能は様々な使い方がある。その1つの例がスーパーボウルで実施したゲータレードのキャンペーンでは、ゲータレードのレンズを用いるとユーザーが頭から飲料水を被る演出になっており、このキャンペーンは1億6500万回見られた。

Snapchatは現在グラス(眼鏡)を開発しているとされており、これを使えば日々の生活がまた違った角度で体験できるようになるという。Snapchatが得意としているマーケティングの施策はキャンペーンを利用して企業を巻き込んだレンズをユーザーが体験できるというものだ。これがSnapchatのARグラスでより進化した体験になる可能性がある。

LINEの目指した企業とのコミュニケーション

Snapchatを見ているとある企業のことが思い浮かぶ。それがLINEだ。現在広告の割合が収益のうちの1番になりつつあるが、その広告は一般的なタイプのものだ。フィード場などにアドネットワークを通して広告を配信するというものであり、LINEの目指したユーザー間のコミュニケーションの中に企業が溶け込む形にはなっていない。(LINEはこれを企業のキャラを利用したスタンプやトークで実現しようとしていた)

しかし、それをうまく実現しているのがSnapchatだろう。企業のレンズを多くのユーザーが利用するなど、企業とのコミュニケーションをユーザーが楽しむ構図が出来上がっている。より高度な形でマーケティングをクライアントに対して提案しているのがSnapchatなのかもしれない。