AbemaTVが順調にユーザーを伸ばしている。
では、今後の業績はどうなっていくのだろうか。
AbemaTVが500万ダウンロード
サイバーエージェントとテレビ朝日の合弁会社であるAbemaTVは2016年7月11日、インターネットテレビ局『AbemaTV』について、同日付でアプリのダウンロード数が累計500万を突破したと発表した。2016年4月11日の開局からちょうど3ヶ月で500万ダウンロードという数字になる。100以上のオリジナル番組の生放送ほか、新作TVアニメチャンネルや海外ドラマチャンネルなどの新たなチャンネルを追加開設し、サービス開発には積極的である。
AbemaTVは、ニュースやバラエティなど約30のオリジナルレギュラー生放送番組をはじめ、ドラマや音楽、スポーツ、アニメなどさまざまジャンルのコンテンツによる25チャンネルを、24時間すべて無料で放送している。一般的な利用方法であるスマートフォンやタブレットからアプリを通じて視聴できるほか、Chrome、Safari、Firefox、Internet Explorerの各ブラウザを通じてPCからも見ることができるようになっている。
AbemaTVの業績は…
3ヶ月で500万ダウンロードというと非常に大きな数字だ。ただ、ダウンロード数だけでユニークユーザーの数字は公開されていない。また、番組ごとの視聴数はトップの番組で20万人ほどである。生放送での同時視聴者数が90万人を記録し、ユニークユーザー数で1100万人を抱える『LINE LIVE』に比べるといささか不安な数字ではある。
比べる対象があまりに大きすぎるのかもしれないが、テレビやLINEの動画サービスには及ばないスケールである。500万人程度のユーザー数であればビジネスとしては成立しないだろう。これ以上にユーザー数を伸ばさなくてはテレビに匹敵するメディアにはなり得ないだろう。
AbemaTVはいかに収益を作るか
日本で展開する有料動画サービスである『Hulu』の日本での会員数は130万人だ。そしてその売り上げがそのまま127億円という数字につながっている。では、AbemaTVの場合はいかにして収益を作っていくのだろうか。現在はサービス自体の収益を考えず売り上げを作らない状態でユーザー数および視聴者数を伸ばしている。
しかしずっとそうは言ってられない。今後、ユーザーがある程度に達した段階でそのユーザーから収益を作らなくてはいけないだろう。スマホ上で見る以上テレビのようにCMを流せばすぐに離脱される可能性はインターネットテレビ局の方が大きい。方法は様々考えられるだろう(アニメのグッズ販売などコンテンツやイベントとの協賛など)が、それら自体はサイバーエージェントにとって未知の領域である。はたして今後どうなるのだろうか。