人類最後のフロンティアは宇宙なのか


人類未開拓の地、それが宇宙だろう。
最後に人類が求める地は宇宙なのだろうか。

アフリカは最後のフロンティアなのか

アフリカは最後のフロンティアだ。そう言われることがある。フロンティアとは未開拓地といった意味で、まだ手付かずの領域を指す。アフリカはまだインフラも乏しく市場は開拓されていないことからフロンティアと呼ばれることが多い。しかし、人類のフロンティアはまだあるのではないだろうか。それが宇宙だ。

近年多くの企業が宇宙に乗り出している。それはロケットで火星にいくとかそういった産業ではない。地球周辺を回る人工衛星など上空100Km以上の領域である。地球上ではなく、地球の遥か上空で今IT企業がフロンティアを開拓している。

宇宙ビジネスに加わるFacebook

そんな宇宙ビジネスの世界に新たな巨大プレイヤーが加わっている。それが、世界最大のSNSを運営するFacebookである。Facebookは2016年7月21日にソーラーパワーで飛ぶドローン『Aquila』のテスト飛行に成功したと発表した。では、なぜFacebookは宇宙へと乗り出したのだろうか。

その目的はインターネットインフラの普及だ。
Facebookは3年前から世界中の(特に発展途上国の)通信インフラ普及に関する取り組みを公表しており、2013年8月に通信機器大手のNokiaにEricsson、半導体大手のQualcommらとともに非営利団体『Internet.org』を立ち上げている。同団体はインターネットインフラが十分ではない40億人の人々を対象に、世界的なパートナーシップを通して長期的な問題解決を行うことをビジョンに掲げている。
さらには、過去3年間の活動を通して2500万人の人々が新たにネットに接続できるようになった。

宇宙に続々と出る巨大企業

Facebookでは2014年にInternet.orgの一環として社内に『Connectivity Lab』というチームを立ち上げ、ドローン、衛星、レーザーなどを活用して、地理的環境に左右されずインターネット接続を実現するための研究を行っている。
先ほど登場したAquilaは高度1万8000メートルを3~6ヶ月間飛行可能なドローンであり、2015年7月にConnectivity Labの取り組みとしてこのドローンとレーザー技術を活用したインターネット接続計画を発表した。

インターネット回線を作るためにドローン自体が効率的に飛行してレーザーを発するためには、その地域における詳細な人口分布データが重要になっている。とはいえ、新興国では十分な人口統計データが存在しないケースも珍しくはなく、衛星画像データから建物の数などをカウントするなどして5メートル単位の人口分布図を作製した。対象地域はアフリカ14ヶ国に、インド、スリランカ、メキシコ、トルコなどを加えた計20ヶ国に及ぶ。
人口分布図作成のために合計で156億枚の衛星データをAIに解析させている。
さらにこの人口分布図は、インターネットインフラだけではなくて、エネルギーインフラ、輸送インフラなどに応用させることができる。

このように、宇宙はただどこかの星との間の中間地点ではなく、国境の存在しないフロンティアと言えるだろう。発展途上国においては政府の知り得ない情報すら得ることができる。それを国ではなく一企業が行っているのも非常に興味深い。最後のフロンティアにはあらゆる可能性が存在する。