無人のコンビニとでも言おうか。
amazon goでは、レジなしで無人の店舗で買い物が可能になる。
無人の小売店amazon goが誕生
先日ボタンを押すだけで日用品が追加購入できるamazon Dashが話題になったが、さらなる話題をamazonが振りまいている。その内容はなんとレジなし無人の食料雑貨店amazon goである。
amazon goに入る際にスマートフォンをゲートに入れ、あとは商品を手に取りレジにいく必要もなく商品をバッグに入れてお店を出るだけですべてが完了する。支払いはamazonのアカウント経由で行われるという。
amazonの実店舗が続々と
amazonはすでにポップアップストアなど実店舗に取り組んではいるが、それらはすでにこのamazon goの布石だったのかもしれない。ECでありながら巨大な倉庫を作って物流に強みを持ち、さらには配送を自社でまかなうともされているamazon。
彼らはすでにIT企業という枠を超え、世の中の小売および物流の全てを支える存在になりつつある。
我々のインターネット上の全ての買い物はamazonを通して行われ、全ての配送はamazonによって行われ、コンビニなど日常の買い物も全てamazonで行うことになる。そんな未来も現実的になってきつつある。
当面はテスト的にか
amazonはこのamazon goの開設のために4年前から開発を行っていたという。
レジの行列も、レジもない、ただただ気に入った商品を取って出るという近未来の体験ができたらどんなに素晴らしいことだろうか。amazonはそれをすでに完成させてしまったことになる。
現在オープンが予定されているストアは食品だけを扱うという。年内にベータ版がアメリカのシアトルでオープンの予定だという。日本では残念ながらまだまだオープンの見込みはないが近い将来我々にとってコンビニのような身近な存在になる可能性があるだろう。
amazon goの仕組み
この自動で生産の済むシステムは、パッケージのRFIDチップがスマートフォンと連携することによって成り立っている。その細部にはコンピュータービジョンやセンサーフュージョン、ディープラーニングなどいわゆる自動走行車と同等の技術が利用されているようだ。
amazonが”Just Walk Out”と呼ぶ技術により、何を取り出したり戻したかを把握し、サーバー上のバーチャルカートへと追加する。そして、お店を出るときに支払いが済むという仕組みだ。
買い物にディープラーニングを利用する時代、レジという概念は消えるかもしれない。
今では、若者の中では固定電話の鳴る”プルルル”という音を知らない者もいるという。彼らにとって電話とはスマートフォンでありそれ以外は見たことがないのである。巻き戻しという言葉の”巻き”の意味が分からない者もいるという、ディスクしか見たことがないのだ。それと同じで、レジという言葉を知らない世代も生まれるだろう。
amazon goの普及は
とはいえ、おそらくamazon goは現状、通常のコンビニなどに比べてコストが高くなるだろう。人件費はかからないといっても高性能のシステムやチップなど、あらゆる部分でコストがかかる。そういった意味でユーザーの体験では優れているものの、コンビニとの競争に勝てるのはまだになるはずだ。
試験的に店舗を出店するものの、コストの部分で採算がとれない以上はまだ時間がかかると見て間違いないだろう。コンビニと同様に我々の生活で当たり前の存在になるのが待ち遠しい。