Googleの親会社であるAlphabetが決算を発表した。
四半期で5000億円を超える驚愕の利益を生み出すものの、未だ検索エンジンに並ぶようなプロダクトの匂いはしてこない。次なるビジネスは出てこないのだろうか。
Alphabetが決算を発表
Alphabet(旧Google)が2016年12月期第4四半期決算を発表した。
結果は予想通りか、モバイル検索および広告売上高が堅調に伸びたものとなった。純利益は53億ドル、売上高は前年同期比22%増の261億ドル。当初の予想は253億ドルであったが、それより少し伸びる結果となった。
とはいえGoogleがここまで結果を残すこと(Alphabetの売上のうちほとんどがGoogleによるものである。261億ドルのうち258億ドルがGoogleの売上。)は予想できたことで、問題になるのは、その他の事業であろう
期待が集まっているのは、『Pixel』というスマートフォンと『Google Home』という家庭用音声アシストデバイスの売れ行きになってくる。
Google事業が堅調
Googleはハードウェア事業の売上高を明らかにしていないため、それらのハードウェアの行方は分からない。
総広告売上高は17%増の224億ドルであり、Googleの258億ドルのうちのほぼ全てを占める。この広告には、Google検索で表示されるものと、バナー広告であるGoogle Adsense、そしてYouTubeが含まれる。前年同期比で、平均クリック単価は15%減少しており、広告料そのものの単価は落ちたものの、広告のクリック数は36%増加した。
世界全体で広告そのもののクリック数が増えている。ディスプレイを見る時間が増えたことの証左であろう。この傾向は、アフリカの奥地までインターネットが行き渡るまでまだまだ続くと予想される。
検索頼みはまだまだ変わらず
まだまだAlphabetのGoogle(検索)頼みは変わらないだろう。四半期で5000億円を超える利益を残しているGoogleであるが、その資金をうまく次のビジネスに結びつけることができていない。
とはいえ、Googleにはまだ潤沢な資金があり、目先の金のために小さなプロジェクトをやる必要はない。期待されるのは、世界の在り方を大きく変えるようなそんなプロジェクトだろう。それが、Google Homeになるのか、ヘルスケアになるのか、それともウェアラブルデバイスになるのかは分からない。
ただし、どれも期待するほどの結果を残していないのはたしかだ。GmailやGoogle Mapなど検索エンジン以外でも数多くのサービスを世に残しているが、それらは決して単体でビジネスとして成立するような検索エンジンの次の何かではない。
Google、そしてAlphabetが作るものは我々にとって有益なものであることはたしかだが、検索エンジンという巨大なビジネスに並ぶものとなるかは疑問符がつくところかもしれない。