プレミアムフライデーが導入でどう変わったか?


2017年2月24日、プレミアムフライデーが導入されました。
この結果国内市場はどう変わっていったのでしょうか。

プレミアムフライデーとは

経済産業省が内需景気対策のために打ち出した政策です。GDP(国内総生産)を平成32年までに620億円規模にしようという動きが背景にあります。日本国内のデフレに対し振興券や給付金など即時的な解決方法に頼らない政策として提言されました。

各種FC飲食店や旅行・ホテル業界と提携、消費を加速させる目的で、月末金曜日に15時退社させることで、サラリーマンが給料の入るタイミングでの消費を促進させようという取り組みです。

プレミアムフライデーの元は

アメリカ・カナダのブラックフライデーを元にしています。11月第4週木曜日を感謝祭とし、その翌日をブラックフライデーというクリスマス商戦に向けたイベントとなっています。この発想に着目した結果、プレミアムフライデーが生まれました。

日本では馴染みは少ないものの、海外ではこのような施策が行われ、一定の成果を上げています。プレミアムフライデーは意味がないと批判されることも多く見られますが、海外で行われている以上ある程度の勝算はあると言えるのではないでしょうか。

導入企業は全体の2.5%?

プレミアムフライデー導入企業は全体の2.5%、労働者人口でいうと約6%程度しか適用されていません。また今年度は見送り来年度から導入見込み、有給申請を使うように促すケースなどあります。

未だ一部の大手企業でしか導入されていない状況です。多くの中小企業にとっては、残業を減らすことで精いっぱいで、プレミアムフライデーを導入するような余裕はないのではないでしょうか。

プレミアムフライデーが導入されてどうなったか

対象層が大企業の高年収層であり、それに合わせ高品質なサービス業の需要が増えていくことでしょう。
中小企業にまでは未だ波及していませんが、大企業が率先して導入していくことで、下請けに月末急な案件を持ち込みにくくさせるようになると推測します。

大企業しか得をしないという意見が強いですが、電通のような問題を起こさないよう労働体制を見直すきっかけにもなります。大企業が積極的に導入するとアピールすることで優良企業だと労働者層への宣伝となります。
まだ初期段階であり、来年度からの導入企業を含めたところから本格的に始まることでしょう。

批判が集まる原因とは

月末は会社員にとっても多忙であり、金曜日退社を早めた分他の日にしわ寄せが来るとの意見があります。業種の中でも営業職は当月中に確約させたい案件を幾つも抱えていたりするので、月末にブーストがかけにくくなります。
更に業界によっても繁忙期が異なるため、労働者層全体でプレミアムフライデーを漫喫することはできません。

またサービス業が月末金曜日に忙しくなるため、人手が足りず多忙でプレミアムどころではない事態に陥り易くなります。有給申請を取り易くし、サービス残業をなくす方が先だとの意見が大半でしょう。
プレミアムフライデーなのに多忙という相対的貧困面が強調されるため、こうした批判が積もり易い状態です。

では悪いことばかりなのか?

経済産業省は徐々に浸透させるつもりであり、第一生命研究所の予測ではハロウィーン市場に次ぐ経済規模となる見込みとあります。
導入されたばかりで混乱は様々ありますが、サービス業需要は確実に増えます。

それに加え、これまで金曜日のサービス業におけるピークタイムを分散させつつ、サービス総量を増やすことが可能となります。そうすると新たにサービス業雇用も促進されることでしょう。
しかし急促進した結果サービス業従事者が疲弊しないために、業界ごとに休暇日を設ける必要があります。

プレミアムフライデーを通じて

短期的に見た場合色々と問題はありますが、長期的には良い方向に進むことでしょう。
景気対策として中途半端で流行らないとの声もありますが、給付金として一時的対策をするよりかは効果が前面に表れにくく、でも継続的に年間を通せばそれなりの規模にはなるでしょう。

何よりプレミアムフライデーは政府主導で具体的な取り組みをするのではなく、官民連携の民間企業に重きを置いた点がとても高評化です。
政府主導でなければ具体性や効果の根拠が薄いと組織内で廃案にされ易い中で、様々な大手企業に営業して連携させ、ここまでトレンドにした取り組み自体は評価されるべきだと考えます。