アリババがついに流通額世界一になった瞬間


中国最大手のショッピングモールアリババが大仕事を成し遂げた。
ついに流通額世界一になったアリババはその瞬間をどう迎えたのだろうか。

アリババの年間の流通額が50兆円を超える

3月21日はアリババにとって記念すべき日になった。『淘宝網(タオバオ)』や『天猫(Tモール)』の流通額が2015年4月からの1年間の間で3兆元(約51兆円)を超えた。この数字は世界でトップであり、世界最大の小売りであるウォルマートを上回る数字である。おまけにウォルマートがこの規模に達するまでにかかった時間は54年であり、アリババのそれは13年であるのだから驚きである。

まさにインターネットの時代の異常なスピードを示していると言えるだろう。実店舗で売り上げを伸ばしてきたウォルマートが要した時間は54年であるが、インターネットの力はそれをわずか4分の1にしている。

アリババの歩んだ13年間

アリババは1999年にジャック・マーによって創設された。ソフトバンクが出資したことでも知られており(今ではアリババはソフトバンクよりもはるかに大きい)、中国で最大のECであることは言うまでもないだろう。

1995年にジャック・マーはSNSを設立した。その内容は中国全土の企業情報を掲載するというもので、今のアリババからは想像できないお粗末なものであった。しかし、本当にこうしたSNSを必要としている(インターネット上で情報を発信する必要がある)のは全体の85%の規模を占める中小企業であり、彼らのためのサイトを作ろうと考えたことでアリババというサイトが完成した。それから13年間、今や世界最大の小売りに成長している。

孫正義とジャック・マーの伝説

ソフトバンクの孫正義がアリババに出資をしたことは周知の事実であるが、驚くべきは孫正義はジャック・マーに会ってわずか6分で出資を決めたということだ。それまでにジャック・マーから発せられるオーラは群を抜いたものであったのだろう。
ジャック・マーは『そこまでお金は必要ない』と孫正義からの申し出を断ったというが、それを押し切って孫正義はアリババに出資を行い、2000万ドルは500億ドルに化けたわけである。孫正義の驚異的な眼力とジャック・マーがその時点ですでに成功を約束されていたのは驚くべき事実だ。

彼の作ったアリババが流通額で世界一になったこともある意味では必然なのかもしれない。