次なる民営化の目玉として注目される大阪メトロ。
はたして大阪メトロの出現でどのように変わるのだろうか。
大阪メトロ構想の可能性は
大阪市の地下鉄民営化の構想が進んでいる。2018年に予定されている大阪メトロの発足ははたしてうまくいくのだろうか。そして、どんな変化があるのだろうか。
東京メトロは、2004年に民営化されたが、それは郵政民営化など小泉元首相が民間でできることは民間にという方針を示したことから生まれており、大阪市の地下鉄も民間でできるのであれば大阪メトロとして発足することになるだろう。その可能性はどれほどなのだろうか。
民営化のための課題とは
当然ながら鉄道事業は、初期投資が大きく民間では資金を集めることができなかったり運営を続けるのが難しい。だから、民間ではなく政府が事業を行っていく。特に地下鉄は地下を掘り進めるためそれが大きい。当然、その初期投資の回収が終われば、民間の方が立ち回りやすく、サービスの向上が期待できることも多い。
大阪メトロは自民党市議団が今里筋線延伸など4路線を建設するための基金創設、人事に市が関与するという条件などの元で条件付きで認める形で話が進んでいる。そのため現状では大阪市による大阪メトロ株の全売却はできないということになる。ただ、いずれにせよ全売却になるまでには相当な時間がかかるだろう。
大阪メトロ実現のメリットは
大阪メトロの利点は、市の財政負担の軽減と税収の増加にある。建設資金などの補助金を大阪市は市営地下鉄に対して充てているがそれがなくなれば100億円ほどの一般会計支出がなくなることになる。さらに、大阪メトロの固定資産税を約50億円と見込んでおり、株式の配当で約25億円を見込んでいることから総額175億円ほどのプラスがある。
そして、地下鉄事業自体の意思決定のスピードアップができ、議会の決定を待つ必要もなく、さらに資材の調達および工事の発注における入札が必要なくなるため、今まで半年以上かかることもあったことがスピードアップされるだろう。
大阪メトロへの期待
また、大阪市営地下鉄の駅売店はポプラとファミリーマートに委託されているが、これが今まではテナント料は年間約7000万円だったのが5倍にもなった。さらにコンビニ業によってサービスは向上した。駅ナカビジネスにも力を入れており、その点においても民間によるサービスの向上が期待できるだろう。
例えば、東京メトロはEchika、メトロピア、メトロエム、ベルビー赤坂などの商業施設を展開しており、青山エムズタワーなどの物件を福利厚生施設の土地に収益源の複合ビルを保有する。こうした期待ができるだろう。
利点も大きく、大阪メトロ構想の実現が望まれるだろう。