Snapがいよいよ上場へ地固めに入っている。
上場へ向けて動き出すものの、市場の評価はその企業価値を疑問視するものも少なくない。はたしてSnapの上場はどうなるのだろうか。
Snapが2017年のIPOへ
SNSアプリ『Snapchat』を運営するSnap社は来年のIPOに向けた投資家向け説明会をすでに開始している。
その中では、Snapchatがいかにミレニアル世代向けのサービスであるか、そうした市場においてエヴァン・スピーゲルCEOが優れた人材であるかということが語られる予定になっているようだ。
Snapの企業価値は200億ドル以上へ
Snap200億〜250億ドル(おおよそ2.5兆円前後)規模のIPOになるようである。Twitterの時価総額が300億ドルちょっとであったことを考えると、それに近い水準になると考えられる。
Twitterは現在も株価が下がり続けているが、FacebookやGoogleはその後も株価が上昇し続け今の地位にある。同じSNSで言えばInstagramはユーザー数は今でも伸び続けている。Twitterのようにならずに第二のFacebookになれるかというのがSnapの価値を占うことになる。
Snapの評価額は高すぎるのか
しかし、Snapは今でも価格が高すぎるとの指摘が絶えない。
GoogleやTwitter、FacebookなどのIT企業の広告収入に対する時価総額の比率がSnapは外れて高いのである。
上場時の水準で言えば、Googleは7.1倍、Facebookは19.4倍、Twitterは13倍であるが、Snapの売上高は2017年が約9億4000万ドル(予想額)に対して時価総額は26.7倍でありあまりに大きいという指摘はたしかに頷ける。
GoogleやFacebookが上場後も成長し続けたことからSnapにもその期待がかかるか、それともTwitterの例から高すぎると判断するかはまだ分からない。
Snapの武器は新デバイス『スペクタクルズ』
また、SnapのIPOで注目が集まるのは小型カメラ内臓のサングラス『スペクタクルズ』である。2016年9月に発表されたこのデバイスは、店舗に長い行列ができるなど絶大な人気を誇る。
これは、Snapがただ広告収入を得るだけのサービスではなく、デバイスを販売できることを強調したかったのではないだろうか。すでにDAU(1日のアクティブユーザー)は1億5000万人を超え、Twitterを上回るという。ユーザーの1日の利用時間は25~30分という非常に高い熱狂性が手に取れる。
これらの武器を売り文句にSnapはIPOへと向かう。