Facebookが買収に失敗したという噂が出ている。
その相手はSNOW。第2のSnapchatになりうる存在であるが、FacebookはなぜSNOWに目をつけたのか。そして、なぜFacebookは第2のSnapchatを作ることができないのだろうか。
FacebookがSNOWを買収しようとしていた?
もともとはNAVERの100%子会社で、現在はLINEが25%の株式を保有するSNOW。Snapchatなどと同様の写真共有サービスであり、日本では主に自撮りなどに多く使われている。
そのSNOWをなんとFacebookが買収をしようとしていたのだという。NAVERとLINEが親会社、しかもLINEの株式の80%ほどを保有するのがNAVERであるから、NAVERのほぼ100%子会社と見ていいだろう。なぜFacebookが買収を画策していたのか。
第2のSnapchatを探すFacebook
Facebookは2012年末、30億ドルでSnapchat(今ではSnapという社名に変更)を買収しようとした。今ではちっぽけな額に見えるかもしれないが(Snapの時価総額は220億ドルとされている)、当時で言えば破格の評価であった。Snapchatに売り上げが立ったのは2015年からの話であり、当時はユーザー数もそう多くなかった。
しかし、FacebookCEOマーク・ザッカーバーグの提案はSnapchatCEOのエヴァン・スピーゲルに足蹴にされた。
それからというもの、FacebookはSnapchatに似たサービスの全てを買収しようとしているとすら噂が立つほどである。実際、写真や動画撮影のアプリであるMSQRDを買収するなど、幾度となくSnapchatの市場を獲りにいっている形跡が伺える。
アジア圏でサービスを成功させたSNOW
SNOWにはすでに8000万のダウンロードがあり、さらに今でも毎月1000万ずつダウンロードが増えているという。Snapchatの人気が危ぶまれるほどの成長ぶりで、日本ではすっかり定着したような雰囲気である。
SNOWは2016年の夏、日本、韓国、中国でAndroid、iOS双方ともにそれぞれの公式ストアでランキング入りした。Snapchatがアジア市場へあまり目を向けていないところに(事実、Snapchatは日本人が使おうとすると使いにくい)注視した結果と言えるだろう。実際、この際にFacebookCEOのマーク・ザッカーバーグは買収の申し出を行ったという。
世界的企業でも作れないスタートアップのサービス
FacebookはSlingshotというSnapchatのクローンのようなサービスを展開しているが、徒労に終わっている。世界最大のSNSであるFacebookを作った彼らでもまた別のSNSとなれば話は違うのだろう。徹底してSnapchatを潰す勢いで戦略を練っているもののそれでもSnapchatの脅威ですらないのが現状である。
LINEも以前は、LINE WOWというデリバリーサービスを提供していたもののサービスから撤退、最終的には出前館という既存のサービスを買収する結果となった。単純に考えればLINEほど資金力に恵まれてユーザーを多く抱える企業が既存の出前サービスに勝てないというのも不思議であるが、ゼロから企業を立ち上げサービスを行うのと大企業の中の1つのプロジェクトとして行うのでは話が違うのだろう。
FacebookとSnapchatの関係も同様であるように思える。果てしない資金力を持つFacebookでもSnapchatというサービスを一切ディスラプトできない。不思議なことである。