原価主義と非原価主義


この言葉はビジネスモデルおよびプライシングに非常に大事です。
知っておくと顧客のことがもっと見えてくる…?

ビジネスモデルに大事なこのワード

原価主義という言葉をご存知でしょうか?

物やサービスを売る事業者が、
原価からかかる経費を計算し、そこに利益を乗せて価格を決めることです。

反対の言葉には、
非原価主義という言葉が存在します。

市場での価値や相場からその物やサービスの正当な価格を算出し、
それに対して原価を決定して物やサービスを生産することです。

原価からいくらで売りたいかを考えるか、
いくらで売れるかから原価を考えるかの違いです。

2つの概念、どっちを選ぶべき?

この全く逆のアプローチをする2つのやり方。
どちらが望ましいのでしょうか?

もちろん、どちらが上という判断をくだすことはできませんが、
近年伸びているのは、非原価主義の企業です。

そもそも、
今まではほとんどの企業が原価主義でした。

市場の価値もあまり明確ではないし、顧客もそれほど情報を得られないゆえに、
どの価格が妥当かがあまり分からないからです。
そこまで市場として情報の流動性が確保されていない時代は当然存在しました。

もう一つの大きな要因は企業は顧客が思っているほど柔軟ではないということです。
中小などで経営陣の近くで働いた人なら分かると思いますが、
経営者ってみんなが思っているほどちゃんとしてはいません。
細かいことをちゃんとするっていうのは多くの企業ではできていません。

いくらなら売れるだろう、
顧客はどう思うだろう、
その前にいくらで仕入れたらいくらくらい乗せなきゃやってらんねえ、

というような人間が多かったのですね。
会社が大きくなればなるほどそう簡単にお客さんに合わせていられなくなります。
市場が伸びていればそれでもやっていけます。

時代によってどんどん変わる

ただ、今の時代は違います。

お客さんは情報を収集できるようになり、
昔よりずっと頭がよくなりましたから、
本当にいい物のみを追い求めるようになりました。

ネットで買えるようになったのも一つの要因ですね。
このような変化で時代は変わりました。

利益がこのくらい欲しいからこの価格で売る

というやり方はもう世の中で通用しません。
相応の値段で売らない限り顧客からは逃げられます。

常に自分中心でなく、
客観的に見て、
どう相手は、市場は反応するのだろうかという視点が非常に大事になっています。

会社が大きくなるにつれてより大事になる概念ですね。