LINE株式会社の『生態系構想』とは
LINE株式会社が新社長の就任に伴い、
『生態系構想』
を発表して話題になりました。
経済圏という今までの考え方ではなく、
(これは楽天がこういう考え方に近いです。)
生態系であるという、生活圏により近いという考え方なんでしょう。
LINE自体がそもそもコミュニケーションツールからなっており、
経済圏という概念から遠い領域にあることから、
こういう言い回しをするんではないでしょうか。
楽天を比較対象に考えてみる。
比較しやすいのは楽天です。
楽天というのは非常に優等生で真面目で堅実な企業でありサービスです。
創業者の三木谷氏が銀行出身であることからも頷けます。
経済圏という言葉が表すように、
ショッピングという土台から銀行や旅行など広げてきました。
この記事でも触れたように、
従来の買い物という、そしてショッピングモールという土壌からできた企業です。
利権をうまく取りにいく形というのは、
まさに銀行と近い考え方を感じさせます。
そこにITというものを取り入れたことと、
圧倒的なシェアを取りにいくスピードも相まってここまでの成長をしました。
コミュニケーションから入るLINEのアプローチ
LINEはアプローチ方法としてこの逆をいく企業です。
経済圏というマネタイズに最も近い領域からではなく、
コミュニケーションツールという領域からなりました。
現在、
注目を浴びているのが『Ecosystem』という概念です。
直訳すると、
生態系という言葉で同じなのですが、
英語のこの言葉には、
経済的なビジネスの中での収益構造という意味合いを含んでいます。
経済的な意味合いでの生態系として循環構造という含みがあります。
また、エコシステムは、
ビジネスモデルと違って、
複数の企業で営まれるという点があります。
ビジネスの常識を変える生態系構想
そういったものも含めて、
LINEの場合はコミュニケーションツールとしての生態圏が、
生活に直結したビジネスモデルとしてのエコシステムへと昇華するという概念でしょう。
今までは、ビジネスはビジネスとしてありました。
楽天は物を買うためのサイトでした。
LINEは違います。人々がコミュニケーションのために利用するツールです。
誰もそこで物を買おうと思っていない。
コミュニケーションからその延長線上に買物がくる。
LINEでタクシーを呼べるしショッピングモールもある。
まるで主婦の井戸端会議が近所のスーパーのお買い得情報につながるかのように、
自然にエコシステムが形成されます。
この『ecosystem』という概念、
これから非常に面白くなるのではないでしょうか。