元ニート起業家・エイトワン大藪崇
カンブリア宮殿で特集が組まれたこの男。なんと元ニートの起業家だという。
政治家や行政が声高に叫ぶ「地方活性化」。だが結局はかけ声だけに終わる例がほとんどだ。そうした中、地方に埋もれた「良いモノ」を発掘し、斬新な発想で「強み」を引き出して次々とビジネスにしていく若き経営者が愛媛にいる。エイトワン社長・大籔崇３５歳。大学時代はパチンコ、卒業後は株投資にはまり、稼いだ１５億円でビジネスを始めたという異色の経営者だ。今では旅館・ホテルの経営に始まり、「今治タオル」専門店、さらに「愛媛ミカン」や陶磁器「砥部焼」のブランドを立ち上げるなど、愛媛にこだわった１０以上の事業を生み出し成功させている。「小さなビジネスを数多く生む方が地方は元気になる」。元ニートが一人で始めた“地方革命”。そこから日本の未来を探る！
元ニートの挑む地方革命という題材で番組は放送されていた。この異色の起業家大藪崇とはいったいどんな人物なのか。
大学生でパチンコ三昧・卒業後は株にハマる
愛媛大学に入学した彼はパチンコにのめり込む。さらには大学にはろくにいかず一留するはめに。
ただこの大藪氏が一味違うのは、このパチンコによって1000万円の利益を出した点。パチンコにハマる大学生はいてもこれほどの利益を出す大学生はそうそういないことだろう。
大藪氏は、ノリ打ちと呼ばれる手法を用いた。ノリ打ちとは、集団でパチンコ屋にいき、収益を全員で再分配する方法である。利益の出る店舗でノリ打ちを行うことによって彼は徹底的にリスクヘッジをしながら利益を出したという。残念ながら彼のパチンコの方法についてはそこまでしか分からなかったが、おそらくはそれ以上に多くの理論に裏打ちされていることだろう。
また、彼はその後パチンコで得た元手で株式投資を大学卒業後始めたという。そこで出した利益はなんと15億円にのぼる。大藪氏がとんでもない能力を持っていることがここで窺える。そこからさらに不動産投資を始めることによって彼は得た利益を順調に伸ばしていったのだという。
元ニート起業家が地方再生に挑む
株式投資の後は不動産投資と大藪氏は順調に資産を伸ばしていった。より多い金額を扱うために参入障壁の高い不動産へとつなげるのは王道のパターンであり、大藪氏は非常に市場経済を深く理解していることが分かる。
そんな彼に舞い込んだ話は第二の地元ともいえる愛媛県でのホテル経営。ただお金を稼ぐだけでは虚しさ・物足りなさを感じていた彼はビジネスを通して地方を活性化することを志し、ホテルを買収した。
エイトワン大藪崇の経営術
かくして元ニート起業家となった大藪崇は順調に地方再生を成し遂げている。実はその経営術には秘訣がある。
それは、”ほんの少しだけ元からあるものに手を加えること”。
彼自身はホテル経営をはじめとして現場には基本的に口を出さない。ホテル経営の際に東京から一流のシェフを呼び寄せそこで全てのイニシアチブをとったところ従業員の全てが辞めかけるという経験からだ。元々の地方の持つ良さを生かすために手を少しだけ加える。
経営者となると、特に起業家となると全て自分の思い通りにやろうとし元の良さを失ってしまうケースや現場感覚をおざなりにするケースが多いが、彼自身投資家の経験から客観的に物事を把握するクセがついているのだろう。これほどまでにバランス感覚のいい起業家はそういない。
