
経営権を巡ってマスコミを巻き込んでの公開親子ケンカ
となった大塚家具。はたしてその業績はどうなったのだろうか。
大塚家具の親子ゲンカ
この記事では、大塚家具の株式による経営権の動向について扱っている。
完結に内容を説明するとまだまだ第二の親子ゲンカは起こりうるという内容である。娘久美子氏がずっと経営権を握れると確定したわけではなく、また父勝久氏に経営権が移る可能性も当然起こりうるということである。
ところで大塚家具のその後はどうなったのだろうか?
大塚家具の業績を考える
大塚家具は2015年4月18日~5月10日に”大感謝フェア”と銘打って最大50%オフのセールを行った。株主総会でやり玉に挙げられた通り(『親子でケンカしている店から誰が買いたいのか』)、そのイメージダウンは避けられなかったものの結果として2015年5月の前年同月比での売り上げは2倍近くまで跳ね上がった。(売り上げは納品時に反映されるため、フェア時の売り上げは全て5月に含まれると考えていい)
一意的に喜ぶことはできないものの、広報効果は非常に大きく業績自体は上がっていると言っていい。
ただ当然ながらセールでの売り上げであるため、粗利としてどの程度の効果があるかは分からない。大塚家具の利益率は比較的高いためにこれもある程度いい数値を記録しているのではないかと予想される。
大塚家具の株価を考える
出典 http://stocks.finance.yahoo.co.jp/
大塚家具の株価はこれまで1100円程度で推移していた。2月末に父勝久氏のクーデターを発端として株価は上昇し、一時2488円を記録した。そして現在は1700円ほどで上下している。
このことから見ると大塚家具の株価はこの騒動から現在に至るまでで1.5倍以上になったということが言える。業績いかんで当然左右するからこのままの推移であるとは当然思えないが、株価に対して好影響を与えたことは事実であろう。
企業は揉めてでも宣伝をするべき?
もちろんマイナス要因も大いに存在する。
大塚家具と言えば、高級志向を貫き、顧客のロイヤリティの高い企業として知られていた。その顧客たちが今回の件を受けてどう考えるかは想像に難くない。宣伝効果はあったもののリピーターは離れて言っているのも事実であろう。
ただ、現状においては株価の上昇など好要因が多く起こっている。サービスとは直接関係ない問題を起こしてマスコミに取り上げてもらうことによって広報活動を優位にした方が都合がいいのではないかと思えるレベルである。
その是非は消費者のリテラシーによるのではないだろうか。