旅行業への参入で驚きを集めたamazonではあるが、
今回はリフォーム業界への参入をするというのだから驚きだ。その勢いは留まる所を知らない。
amazonがリフォーム業界に参入
EC(電子商取引)で世界最大級の巨人にして、日本国内でも最大手のアマゾンが、日本の住宅リフォーム市場に本格参入した。アマゾンジャパン(本社・東京都目黒区)が6月末、日本語版の総合オンラインストア「amazon.co.jp」内に「リフォームストア」と称する住宅リフォーム商品・サービスを販売する新コーナーをオープンしたのである。
出典 http://toyokeizai.net/
下記記事でも旅行業にamazonが参入することは紹介はしたが、その結果を待たずに次はリフォーム業界に参入するようだ。旅行代理店はツアーの販売などパッケージ化が可能なため予測しやすいものだが、リフォームというのは顧客ごとにまったく内容が異なり画一での販売が非常に難しい。そのため、どういった形でamazonが実現するのか非常に興味深い点である。
積水ハウス、大和ハウスとamazonが提携
驚愕すべき点は今回の事業において、amazonは積水ハウス、大和ハウスといった日本国内でのリフォーム業界の最大手と手を組んでいるということだ。
通常、非ITの業界においてIT企業の参入については業界でシェアを握る企業は動かないケースが多い。今回のリフォームで言えば、
『リフォームという難しいジャンルでITが通用するはずがない』
という姿勢を示すのが一般的である。にもかかわらずamazonと手を組むということはそれだけamazonがこの業界においてイニシアチブをとる可能性を認めているということであろう。amazonの影響力を恐れている証拠でもある。
こういった大手企業と組むことによって”ネットだから質が悪い”という見られ方をする可能性はまずない。(webサービスにおては”ネット=質は低い”という評判はついて回るものである。)
そうした点も含めて特に若年層に対しては普及する可能性が高そうだ。
リフォーム業界はamazonの力でいかにIT化するのか
このサービスでは、amazon内で見積もりが無料で行える。
基本的な仕組みはこうだ。ユーザーがアマゾンを通じてリフォーム商品・サービスを選び、注文すると施工業者から自動的に連絡が入る。日程調整のうえで施工業者が現場に訪れ、ユーザーとリフォームの内容を打ち合わせする。ここまでは原則無料だ。ユーザーが工事内容や金額に納得すれば契約。その後に費用を支払うようになっている。
出典 http://toyokeizai.net/
ユーザーがamazon内で各業者の見積もりをネット上で概算を弾き出し、その上で好みの業者が現場に訪れ打ち合わせをするということが可能になるのだろうか。
おそらくは今まで業者が家にきて、という非常に手のかかる行為をして見積もりを出していたのをネット上である程度できるようになるものと思われる。今までその価格についてはブラックボックスであったリフォーム業界はamazonで一括で比較でき、価格競争が起こるという点ではユーザーへのリターンは非常に大きそうだ。
amazonはリフォーム業界を変えるか
はたしてこのリフォームに関する取り組みは成功するのだろうか。現状においてその可能性は非常に高いと感じられる。ユーザーはこういった業者の選び方が分からず四苦八苦し、ひとたび問い合わせを入れれば営業にさらされる可能性にうんざりしている。知りたい情報をネットで仕入れるという点においては大賛成であろう。
ただし、見積もりや比較をサイト内で行えるというだけでは、今現在Googleで価格を調べるのと大差はない。amazonでキッチンやその施工の販売まで行っており、買った商品であればリフォームもamazonが何十%負担というようなことまでするのであはないだろうか。
ユーザーに一生の買い物のほとんどをamazonでしてもらうような仕組みにするのではないだろうか。
そうなったとき地球上の全ての買い物がamazonで行われる日は来るだろう。