Twitterが開発拠点を日本に開設


Twitter社が日本に開発拠点を設けることを発表した。
どんどんと増えるIT企業の日本での開発、これからのIT企業はどうなるのか。

ツイッター社、日本に開発拠点を

 交流サイト(SNS)大手、米ツイッターで世界戦略を統括するシャイリッシュ・ラオ副社長は3日、日本経済新聞の取材に対し「日本でサービス開発を始める」と述べた。ツイッターが米国以外に開発拠点を設けるのは初めて。日本の利用者数が2014年の1年間で4割増えたとして「日本は非常に重要な市場だ」と強調した。

出典 http://www.nikkei.com/

大手SNSサイトのTwitterの開発拠点を日本に設けるようだ。世界的にユーザー数の伸びが止まり、株価が低下したTwitter。その中で好調なのが日本の市場。言語的な特徴も相まって非常にユーザーのロイヤリティも高い。今後日本に焦点をより当てていくのではないだろうか。米国以外では初の海外拠点となる。
先日、アップル社が横浜に開発拠点を設けることを発表した。それに続き、日本での開発拠点を設けるTwitter。今後さらに日本での開発は進むのかもしれない。

ガラパゴスでありながら大きな日本という市場

http://kigyo-ka.com/00227/

本誌の上記記事内で紹介しているが、日本の市場は世界で第3位に位置する(厳密には、上場企業の時価総額の総額が第3位、GDPも同様に3位)。日本という市場はそれだけ大きなものがあるものまた事実である。しかしながら今まであまり外資は手出しをしてこなかった。それは言語的に日本がガラパゴスであることに大きく起因している。
言語が大きく異なる日本市場にはどうしても英語圏内(特にシリコンバレーの存在するアメリカ)からは手を出しにくい。Twitterやアップルが日本に拠点を置くのはそれだけ市場として異なることを認識しているからであろう。

さらには日本の生活習慣などは欧米と異なる部分も多い。ガラパゴス化した市場での結束も強く新しいものに対する警戒心が強い。常々アメリカなどから飲食店が日本に上陸し、その度にニュースになる。『日本人は欧米のものならなんでも喜ぶ』と揶揄されることがあるがその言葉とは裏腹に多くの企業が日本撤退を余儀なくされている。日本はそれだけ難しい市場であるだろう。逆もしかりであり、日本から海外への進出が難しい。

Twitterが日本で好調な理由

Twitterに話を戻そう。実はTwitterの140文字という制約はどの国でも共通である。日本語の『あ』と英語の『a』は同じ1文字としてカウントされる。そのことから英語の文字数は日本語の2.8倍になるというデータが出ている。基本的に英語であるほうが文字数が増える。

つまりは、日本語の方が少ない文字数で情報を伝えることができる。この特性より、英語では140文字であまり多い情報を伝えることができない。そのこともあって日本ほど流行っていないのが現状である。
特に日本では企業のうち9割がTwitterアカウントを持っているとされており、それだけ企業のPRについても140文字でできる範囲が広い。どうして言語によって制約を変えないかまでは分からないがそれだけ日本では流行りやすい土壌となっている。

狙われる日本市場

これから今回の例のようにシリコンバレーからどんどんと日本へ開発拠点を開く企業が出てくるだろう。それだけ日本の市場は魅力的である。IT企業に関してそれはあまり成り立たないが、スポーツなど(例を挙げれば外資の参入が見込まれるJリーグ)の資本力を生かした参入は多く考えられる。日本の企業が外へ出ていかない限り、日本での市場を外資が得るようになればどんどんと日本企業の利益は少なくなっていく。
日本の市場を守ることよりも切磋琢磨して日本でのサービスの質が上がることの方が望ましい。それと同様に日本の企業も海外への進出が必須であろう。

通常IT企業はインターネット上でサービスを提供する特性からあまり立地を気にすることなくサービスを展開できる。開発の際にも特にローカライズする必要もなく行うことができるだろう。
しかし、その中で日本語のみを公用語とする日本はガラパゴス化していて非常に閉鎖的である。これからそれが少しでも解放されることがあれば日本企業のレベルも上がるだろう。