Appleの買収案件が明らかになった。
今度の買収は教育系スタートアップであり、Appleの姿からは少し想像のつきにくいジャンルであるのではないだろうか。はたしてその理由とは。
Appleが教育系スタートアップを買収
本日、Appleが教育系のスタートアップ『LearnSprout』を買収した。買収の条件は公表されていない。
『LearnSprout』は創業3年になるスタートアップであり、教師が児童生徒の成績を評価するのに役立つオンラインデータのインサイトをサービスとして提供している。これまでに計470万ドルを調達していることからも、買収額は2000万ドルに及ぶと想像される。
Appleは教育シーンでのデバイス市場において優位に立つために投資を重ねており、iPadを売るために買収したのが今回の『LearnSprout』である。教育ツールをiPadで充実させるためにソフトウェアの部分で活用されることであろう。
教育シーンにおけるデバイスの市場
小学校から大学まで、はたまた予備校などにおける教育シーンについて、現在圧倒的に優位に立っているのがGoogleのChromebookである。現在、アメリカでは教室のうちの半分のデバイスがChromebookであり、iPadおよびAppleはGoogleに後塵を喫している。2014年の夏の時点で、年間で400万台のChromebookが売れており、その市場は今後も拡大されると見られている。
今後当然のように教育シーンで需要は伸びていくことだろう。日本でも小学校でiPadが導入されるなど近年EduTechという言葉と共に教育におけるテクノロジーの普及が進んでいる。当然、eラーニングなどのweb上の教育サービスは普及しているが、デバイスの市場も大きい。Googleはその中でも後進国で購入できるようにChromebookの価格を低く設定するなど、一歩二歩リードしているように思える。
Apple反撃のきっかけはソフトウェアか
AppleがそうしたChromebookの低価格の戦略に応じるとも思えない。iPhoneにMacbookと同等スペックの機種よりも高い価格で一貫しているAppleはこのままのブランド価値を維持したまま戦いに望むだろう。そうなると後進国は人口が爆発するもののその価格に手を出すのは非常に難しいだろう。となると欧米やさらにハイレベルな教育の求められるシーンに対してシェアをとりにいく形になるだろう。
当然ながら、価格帯の上なiPadの方がスペックは高いと見られ、特にタッチパネルの性能などの使い勝手で言えばAppleに軍配が上がるように感じられる。しかしながら、iPadなどには教育に有用なアプリケーションは少ないし、Androidの方が開発者が多い分強みがあるように思える。そういったアプリケーション面での勝負は非常に大きなウエイトを占めると見られ、Appleの反撃には注目である。