家事代行サービス『DMM Okan』の行方は


DMMの次なる舞台は家事代行サービス。
アプリで気軽に発注・受注ができるのが強みであるが、はたしてこのサービスの行方はどのようなものなのだろうか。

DMM Okanリリース

DMMが昨日2016年12月14日に家事代行サービス『DMMOkan』をリリースした。

このサービスでは、スマホアプリを用いて、非常に簡単に家事を依頼したり受注したりできるサービスである。依頼者向けのアプリ『DMM Okan-家事代行アプリ』と家事代行スタッフ向けのアプリ『家事代行おしごとアプリ-DMM Okan』の2種類が用意され、依頼者とスタッフをマッチングする仕組みになっている。

なお、現在対応しているエリアは東京23区内の依頼者およびその周辺に居住する家事代行スタッフとなっている。順次地域については拡大とのことである。

DMM Okanの料金は業界最安を謳う

DMM Okanはその名の通り、母親(オカン)のように日常的な身の回りの家事(部屋、玄関、水回りの掃除、洗濯、料理など)などを代行してくれる家事代行サービスで、価格は業界最安水準を謳う30分あたり1200円からである。
交通費込みで90分から利用することができ、30分単位で延長することが可能となっているようである。

一般的な家事代行サービスも安いものでは1時間2000円~3000円ほどである場合が多く、このDMM Okanは最も安いというわけではない。ただ、アプリ1つで発注・受注ができるようなサービスは見当たらず、スマホが当たり前の若い世代にとっては非常に使いやすいサービスではないだろうか。特に家事代行サービスを頼む、比較検討する手間すらもったいない忙しい消費者にとってはアプリで済むのはメリットが大きい。

問題になるのは信用の担保

不安になるとすれば、アプリ上で登録した家事代行業者の質がどの程度であるのかということである。一般の家事代行業者では、ワーカーを管理していることから信頼性が担保されているが、この場合はアプリでマッチングを行うことになるため、信頼性が担保されていない。

メルカリやクラウドワークスなどでは、評価をユーザー同士で付け合う仕組みができている。これは、AirbnbやUberなどでも同様だ。それによって信用できないユーザーは取引がしづらくなるようになっている。低評価をつけられたくないからしっかりと取引を行うだろう。

これに加えてエスクローという仕組みが現在では主流である。例えば、メルカリでは、購入者はメルカリに商品を支払う、そして商品が届いたら受け取りを通知し、その後メルカリから出品者に代金が支払われるという仕組みである。これによって、商品が届かなかったり不良品であった場合は受け取り通知がなされず出品者は代金を受け取れないため、しっかりと取引をするインセンティブが働く。
DMM Okanでも、こうした仕組みで信用を高めることになるだろう。

家事代行サービスの普及が望まれる

期待されるのは家事代行サービスの普及である。1時間で2400円も払うくらいなら自分でやった方が早いと考える人も少なくないだろうが、年収が700万円を超えるくらいの人からは自分がやるよりも他の人にやってもらった方が安い。(会社員など賃金がある程度固定されている人にとってはそう単純計算できないだろうが。)

こうした家事代行サービスが普及すれば、ユーザーにとっては時間が浮くようになるし、ワーカーにとっては雇用が生まれることになる。経済的な面で見ると業務のアウトソーシングというのは非常に利益の大きいことであるだろう。