ビットコインの時価総額が過去最高を記録


ビットコインの時価総額が過去最高を記録した。
価格は1BTCで100ドル以上上がるなど急騰したが、今現在ビットコインはどのような用途で使われているのだろうか。そしてビットコインはどのような影響を与えるのだろうか。

ビットコインの時価総額が過去最高に

2016年12月22日(ロンドン現地時間)、ビットコインの時価総額が140億ドルを超え、過去最高を記録した。欧州の大手取引所ビットスタンプでの取引価格は875ドルと、2014年1月以来3年ぶりの高値となっている。(ビットコインの時価総額は流通しているビットコインの総額にあたる)

なお、今年初めの価格は435ドルであり、1年間で2倍以上になったことが分かる。ビットコインの取引の大半は中国で行われているという。

ビットコインのマイニングの大半は中国で

中国で多くのビットコインが売り買いされている理由は、中国の通貨である人民元への信用のなさからビットコインで資産を保持する層が多く存在することと言われているが、それよりも要因として考えられるのはビットコインのマイニングの過半数が中国で行われていることだろう。

マイニングとは、ビットコインの発掘であり、ビットコインは毎時間一定の割合で増えていくがその行き先は発掘に成功した者ということになる。イメージするならば、金などの鉱物が一定時間の中で徐々に増えていくものだろうか。ちなみにビットコインの最終的な総数は決まっており、その数に収束するように増えていく。

発掘と言っても物理的に行うわけではなく、暗号のようなものを解読することで発掘が可能になる。つまり、圧倒的な量の処理をコンピュータにさせることになる。そのため電気代がネックになり(処理が膨大すぎて場合によっては発掘した金額が電気代を下回る可能性もある)、それが安い中国の非都市部(モンゴル付近など内陸)で行われているわけである。

海外旅行でのビットコイン需要

また、中国では海外旅行が多い(もっともそれは人口が多いからであるが)ことから、その先で換金などをする際にビットコインを使えばそもそも換金せずに購入ができたり、為替コストをかけずに済むなどの利点からビットコインを使っているとも想像ができる。

とはいえ、ビットコインで支払いの出来る店舗はそうそうなく、未だ発掘による取引の方が多いことが予想される。ビットコインは現状では投機としての側面が強いかもしれない。

国の通貨よりも信用を得るビットコイン

中国ですら自国の通貨である人民元の信用が薄い。それは発展途上国であればなおさらだろう。国がデフォルトして通貨が暴落したり、銀行が破綻するような国は未だにある。ジンバブエのようなハイパーインフレも十分に存在している。

そんな中であれば資産を安全に担保できる手段としてはビットコインはうってつけであるのかもしれない。金などと同様に世界中に存在する総数が決まっている。さらにはそういった実物資産とは異なり、データであることから購入や売却にかかるコスト、保有するコストが極めて小さい。今後もビットコインは投機ではない、本来的な意味合いで需要を広げるだろう。